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秘密兵器が早々に頒布終了して君の名がわからなかった話【文学フリマ京都9レポート】

個人出版レーベル「HS書架」代表の春紫苑です。

今回で出店3回目となる文学フリマ京都。前年の文学フリマ京都8で経験した「販売数0」の危機が相当応えたのと、新刊を用意することができたので、事前準備から前年の10倍ぐらい時間をかけました。

↓文学フリマ京都8レポート

その成果物の一つが「秘密兵器」となる超可愛い『作品掌カタログ』です♪

お土産に仕込んだ数を含めると、事前に作ったカタログの数は約90部!それがあっという間になくなるとは思わないじゃないですか……。

そして今回、文学フリマ京都8と比べて出店数が360以上増えたことによる影響か、すれ違いが多発(HS書架調べで2回)しました。君の名は……。


一体どうしてそんな状況になったのか!?
文学フリマ京都9レポート、スタートは波乱の前日から……!!


中の人、前日急に熱が上がる

文学フリマ京都9へ一般参加するため、友人が京都へ前日入りする聞いていたので、前夜祭を行う約束をしていました。

ところが書架の中の人が37度超えの熱を出すハプニング
前日まで元気だったのに。午前中の健診が影響した!?

夕方になっても熱が下がらず。中の人は大事をとって、布団にくるまりお留守番。私一人で待ち合わせ場所へ行くことになりました。

ハプニングは重なるもので、バスの時間を平日と間違え(この日は土曜日)、すでにバスは去ったあと。すぐに切り替え電車の駅にダッシュ! なんとか集合時間に間に合ってほんとよかったよ……。


中の人に申し訳ないと思いつつも、前夜祭は楽しく過ごせました。去年と同じ四条大宮の焼き鳥屋、炭焼「極」さん、やっぱり間違いないわ。全メニュー、美味しすぎる。

京都にお越しの際、阪急沿線でご宿泊するなら、ぜひお立ち寄りくださいね(宣伝)。


前夜祭をつつがなく終え帰宅すると、中の人はちゃんと布団にくるまっていました。こいつ、明日に向けて本気で治す気だ(尊敬)。

熱がそんなに高くない(37度台)とはいえ、体調が戻る可能性は正直このときはわかりませんでした。二人で荷物を運ぶ予定だったから、一人になったらどうやって持っていこうか悩む。明日、どうなることやら。


中の人復活し、会場入り

そして文学フリマ京都9当日。

中の人、朝の体温36.5度

すごい、本当に治した!
昨日の楽しい会を回避してまで、体調を戻す選択をしてくれたことに感謝します。これで荷物が運べるよ~。


そんなわけで無事9時40分に開催地みやこめっせへ到着。

出店者の開場時間は10時ですが、すでに長蛇の列ができていました。私たちが到着して10分後ぐらいには、建物外に並んでいる出店者の姿も。

もし来年も同じ会場、同じ規模の開催なら、出店する方は会場20分前には現地入りしておくことをオススメします。

みやこめっせ建物内の様子

HS書架’Sは予定通り10時に会場へ入ることができました。スタッフとボランティアの皆様の仕事に感謝しつつ、並べられた机を見て思わず漏れた感想。

「せっまっっっっっっ!」

前回の文学フリマ京都8では、長机(2ブース分)ごとに30cm空いていたと記憶しています。が、今回は大幅なブース増加の影響か、通路から通路まですべての机が隙間なく並べられていました

この並べ方だと一つの長机に対し、椅子を4台並べるには若干狭い。幸いお隣の出店者様が一人だったので、なんとか椅子を置くことができましたが、お隣に少しはみ出している気もして、すっかり迷惑をかけてしまいました。

また背後にも荷物を置くスペースがないため、設営時に手荷物を広げるスペースがない状況。おまけにお隣の商品を落とすわ、自分の商品が落ちたの拾ってもらうわで、設営が終わった頃には汗だくでした……。

設営の様子

設営完了後、一般者の開場まで少し時間があったので、中の人がお目当てのブースを巡って本を購入していました。そしていよいよ始まりの時を迎えます。


午前はのんびりかと思いきや

開始直後は人気のブースに参加者の足が向くようで、HS書架のブースは前回同様のんびりとしていました。

そんな書架への初来客は、去年と同じく隠岐左近様!
いつも鼻眼鏡の仮面を被っていらっしゃるのですが、今回はなぜか二重に仮面を被って来店されました。

いつもお土産とファンアートをくださるありがたいお方。今年はなんとネコ化男子の非日常の主人公、コタと相方のネコちゃん♪
ありがとうございます!

ネコ化男子の非日常のファンアート

次の出店予定イベント、文学フリマ大阪13には必ず新刊出しますので、期待していてくださいね。

ネコ化男子の非日常 特設サイト


その後も新刊『魔法が使えない魔女アンソロジー 「たとえあなたに魔法がなくても」』(以後ない魔女アンソロ)をお買い求めいただく方が、午前中にたくさんご来店くださいました(もちろん毎年ご購入いただく方も)。

SNSを駆使して新刊の魅力をしっかりと伝えたおかげで、新刊を目的に来てくださる方がチラホラと確認できたのは嬉しかったですね。


秘密兵器(作品掌カタログ)が早々になくなる

今回手作りした「作品掌カタログ」。めちゃくちゃ可愛い秘密兵器として持参することは、こちらにも記載しました。

作品掌カタログの動画

開場当初は無料配布物としてブース右側の手前に置いていました。ところが参加者が前を通りかかっても、まったく手に取ってもらえず

そこで声がけとともに思い切って手渡ししたところ、受け取っていただける参加者がいらっしゃいました!

これはいける!と調子に乗ってどんどん配っていたら、配布用に用意していた50部以上の作品カタログが、開始1時間程度でなくなってしまう嬉しいハプニング!

それならとノベルティの中に潜ませていたカタログ(20部ぐらい)も配りましたが、30分ですべて配布終了

文学フリマ京都8では無料のチラシが30部も配れなかった(そもそもブースに近寄ってくれる参加者が少なかった)のです。ところが予想は裏切られ、声がけの手段がなくなってしまいました……。


会いたい時に、あなたはいない

12時過ぎ、イラストレーターのさかゐわたる氏と例年通り合流。さらに13時を過ぎると、書架の前の通路を歩く人が落ち着いてきたので、さかゐ氏と中の人が店番を交代し、お買い物タイムへ。

しばらくすると、出店者の早時期 仮名子様がご来店。そういえばXでも予告がありました。蛯原様と同郷(同県住み?)のようで、そのご縁から『ない魔女アンソロ』をご購入。早時期様のブースは、持参した本が早々に売り切れたらしいです。羨ましい。

早時期様とお別れしたあとに、中の人が帰還。

「どうだった?」
「早時期さんのブースに寄ったんだけど、本人がいなくて。お店番の人によろしくお伝えくださいと言ってきた」
「早時期さん、ついさっきここに来はったよ」
「え?」「え?」「もしかして、私たち、すれ違ってるー!?

お店番の方、君の名は――わからないか。


すれ違い、再び

13時以降は、本よりもグッズ、それも金属製しおり「落花水紋」が人気で、こちらをみて足を留めてくださる方が多かった印象。蝶々をモチーフにしたしおりは早々に売り切れ、赤い金魚のしおりはこの日の売れ行きが2番目に多い商品となりました。


とはいえ、新刊の『ない魔女アンソロ』も、終了ギリギリまでお買い求めくだり、最終的には18冊お迎えいただくことができました! ありがとうございます!

そういえば、終了間際にご来店いただいた方の中に、さかゐ氏のご友人がいらしたのですが、携帯電話に連絡しても繋がらないとのこと。
※さかゐ氏は、この時ブースから離席していました

そしてご友人が去った後、しばらくするとさかゐ氏が帰還。

「ご友人がいらっしゃったけど、会えました?」
「携帯に連絡があったからここに戻ってきたけど」
「え?」「え?」「もしかして、あなたたちすれ違ってるー!?

はい、本日2回目のすれ違い。ご友人、君の名は――!!


文学フリマ京都9のまとめと反省点

以上、文学フリマ京都9レポートでした。
ここからは出店参加して気づいたことなどを書いていきます。

今回を振り返ると、前年の文学フリマ京都とは明らかに違う点がありました。

  1. ブース数の増加と、それにともなう来客数の多さ

  2. 一般参加者の性質


1.ブース数の増加と、それにともなう来客数の多さ

会場は前回と同じ「みやこめっせ1F 第一展示場」を全面使用。そのため会場の面積自体に変化はありません

しかしブース数は707→1002と大幅に増えたことで、参加者が1店舗にかける時間はより少なくなったと言えるでしょう。

そのためどんな作品がどのブースから出品されているのか、事前に調べる方が多かった気がします。


またブース自体が増えたことで、見本誌コーナーの面積が狭くなり、1店舗の見本誌(最大3点)を重ねて置く必要がありました。私も途中見本誌コーナーを確認したところ、かなりの人でごった返していました。

このことから、人気の見本誌コーナーも十分なスペースを確保できていないため、より実際のブースで来場者に作品の魅力を説明する必要が出たのではないかと推測できます。


2.一般参加者の性質

これは(1)とも被ってくる話ですが、ブース数の増加に伴い、1つのブース(店舗)に時間をかけられないため、店先で説明を聞くより他の手段で購入作品を検討する必要があったのではないかと思います。

去年は無料の配布物を差し出しても、気安く受け取ってもらえませんでした。しかし今年は受け取っていく方が多かったです。

もちろん秘密兵器(というなの小さいカタログ)の攻撃力(可愛さ)が高かったことも要因の一つかもしれません(笑)。ですが配布スピードが明らかに速かったのは確かです。

また来場者が増えるということは「新規で見に来る人」も増えるということ。彼らが予備知識ゼロかつ初参加なので、無料配布物をとりあえず受け取っておく、というスタンスを取っているのかもしれません。


いずれにせよ、去年まで少しシャイだった(笑)京都の参加者はどこへやら、今年は文学フリマ大阪のように、さっと差し出してパッと受け取る、オープンマインドな方々へとクラスチェンジしていただけたようでした。

ですので、次回はそれを踏まえて配布物や作品の見せ方を工夫できればいいな、と思いました。マル。


「#文学フリマで買った本」見てます

Xで毎日「#文学フリマで買った本」を検索し、書架の作品をアップされていないか見ています! 読了後、お時間があれば感想を聞かせてくださいね。

以下、作品ご購入者様のご紹介です。

Xでのご紹介

DEED 様


アモヨコ 様


えぁる 様


あみか 様
こちらはお買い上げいただいたグッズを、ご紹介いただきました♪


遠野さつき 様


晴海悠 様


大月 クマ 様


早時期 様


noteでのご紹介

さざなみぶんがく 松田茉莉 様

和綴じ豆本『日ノ暮レ奇談』をnoteの記事でご紹介いただきました。お選びいただいた表紙は、私も大好きなトンボ柄♪
ありがとうございます!

ご紹介いただいた記事はこちらです。


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