
「嗅いだ精油成分がどのように作用するか」薬学博士の挑戦を聴く
うちの近所(?)の城西大学の薬学部でも、多少の精油の研究が行われているのを、IFAの会報誌で知り、文化祭に訪れて見聞きしているのですが、会報誌に出してくれた記事より、ちゃんと研究してるデータ出してるのに、なぜ、それをIFAに出してくれない?と、思ったり。
今回は、国際医療福祉大学の教授、佐藤先生のお話を聞けると言うことで、参加してみました。が「・・・。」
カートシュナウベルト博士は、理解が深いから懐が深いのか、日本の教授は理解が浅い事をバラしたくないのか?と、思ってしまうくらいに受講生へのリスペクトがないんだなぁ。これが。
フィールドが違うので仕方ない価値観の違いはあるとしても、やっぱり化学者として研究しているにしても、自然へのリスペクトから、精油の作用の証明に挑むには、自然へのリスペクトが足らんと言う感想が先立ってしまった。
ちなみに、ロバート・ティスランド先生のインスティチュートのどのクラスに参加すると、ここの部分を説明してくれただろうか忘れたけれども、国際的な精油のバイオアベイラビリティは、リサーチされている。
その中でも薬学的に優位差ありと言えるか?と言う点を研究しているのかもしれないが、薬学の研究方法はそれでしかありえないかは、わからない。
他にも、精油を使ったリサーチペーパーを読んでいると、実験計画自体が創意工夫され、どんどんエビデンスとして再現可能な情報に集約している海外からの話とは、雲泥の差を感じる。
根本的な「アロマテラピー」については、本を読んだだけ?どの本ですか?と問いただしたい気にすらなった。
脳神経伝達物質に関わると言う研究であるならば、タッチケアの研究の第一人者、マイアミ大学のティファニーフィールド先生のように、タッチの有無で、低体重児のミルクを飲む量、体重の増え方が変わるとか、そう言う実験方法だってあるし、現在、英国の大学とIFAが共同研究している方法は、臭いのあるなしでは絶対にコントロールできない事から、難しいとされていた『二重盲検査』とみなせるやり方で臨床実験も行われている。
私の英語力がもう少し達者だったら、もっと深く理解できるのだろうけれども、論文用の科学的実験手順を人生で一度もやったことがない上に、英語で説明されているので、日本語で説明ができるほど理解が深まっていない。
もっとも、薬学的に作用機序が確定するなら、嗅覚を失った人にも同じように作用すると言うことにつながるので、それはそれでもいい。
だが、嗅覚受容体と嗅覚の感覚野(知覚・認知)と、脳神経細胞の伝達物質と切り分けて考えなければならないと思うに、切り分けた話にはなっていなくて、私は聞いてて混乱した。
もちろん、どのような実験方法なら、ここを切り分けて『観測』出来るのかは分からない。しかし、各分野で研究している人の話を聞くと、分けて考えないと医学的な解明はできなさそうだな。と、思われる。
あ、生薬はどうなんだ?って話は、やっぱりそうだよね。と、思う感じだった。
天然物と言うものは、日常的に食べている野菜や果物、動物や魚などの栄養素は、それらが生きた環境によって幅がある。何を食べて生きてきたか、どう言う環境で育ったか、それによって人間の口に入る時の栄養素としてのテイストは変わる。それでも、マグロはマグロだし、牛は牛である。大根は大根でほうれん草はほうれん草である。生薬も同じだ。
だが、製薬会社が一般消費者に提供する『商品』は、定量化されている。
市販されるツムラの漢方と漢方薬局で調剤してくれる漢方の成分量は厳密には違うことになる。
これは、アロマテラピー界隈では『偽和(ぎわ)』と呼んでいるのだが、治療薬として提供する際には必要になる作業になるだろうと思われる。
天然物は天然のまま定量化はされないからだ。
香料業界的にラベンダーなどは、リナロールと酢酸リナリルの量をあえて調整しているものも市場に出回っている。
良し悪しは、あなた次第です!なのです。
だが、それでいい。それこそがいい。天然物が今現在の地球環境に合わせて組み替えた成分は、今この環境にいる私たちにとっても同じように有用だと、シュナウベルト博士はおっしゃる。
漢方を顔を知る原材料の供給者から直接仕入れ、顔を見て望診をして調剤する漢方医とアロマセラピストは同じである。
実は。そこまでアロマセラピストの職業の地位を上げたい。
アロマセラピストとしては、最終的に、医療にならなくていい。医薬品にならないで、民間療法であることに意義がある。と、私は思っていますが、それでも精油の選択になぜ?と思うようなバラつきは業界的には良くないのでは?と、思っています。
最近、気がついたことに、運良く私はミシェリン・アルシェ教育の孫ラインにいるのですが、私が最初に出会って丸暗記した哲学と知識は、ミシェリン先生とジャンバルネ博士の共同研究の賜物(成果)であり、この暗記による作用をいかに臨床に結びつけていくかに時間はかかったが、一周回って結局これが一番有効ではないか?と、思う事もあり、いまだ伝承される情報に「なぜ?」はあるけれども、臨床を重ねるうちに理解は深まっていくと思われる。
話が少し脱線したかもしれないが、発見されている有効成分が、医薬品にならなくていいと言うのにはもう一つ過去の体験があり、若かりし頃に使っていた化粧品が、とても私の体質に合っていて、ずっと悩まされていたニキビをあっという間に痕跡すらも綺麗にしてくれた『シュウウエムラのプランシープ21』主要成分が医薬品に指定されてしまって発売中止になった。
それって、なんか違う。医者の特権濫用だと思う。と、若かりし私は思った。
その後、カネボウの白斑トラブルが起こった時は、医者が医薬品を取り上げないと、化粧品会社は危ない事をするんだな。とも思った。
『薬用』は諸刃の剣。
だが、医食同源で、最も良い薬は良い食べ物を食べる事だと思う。
製薬された薬を使う事じゃないと思う。
製薬された薬の一点突破な作用は、早く、鋭く有効だろうが、人体へのダメージ(副反応)はゼロではない。
作用が穏やかということは、人体への浸潤が少ないと言う事で、所詮、我々の体は『自己か非自己か』の2進法の秩序で成り立っているのである。
いずれにしてもTPOと用法用量は大事。
それにしても、化学者の研究は、思いもよらない作用機序の研究に思いもよらない精油を引っ張ってくる。どこから出てくる発想なのだろう?
そこが知りたい。
2日目の研究発表(もはやセミナーとは思っていない)を聞いて、結果、自分の中で整理ができたらまた書きます。
結果、期待した内容と違う場合は書かないかも。
強いて言えば、島津製作所の説明を見ても理解できたか謎だったガスクロの仕組みは理解できていることが確認できた。これが今回の最大の収穫(?)うーん。
もうちょっと思案してみるかな?
なぜ、その実験方法(設計)なのかを聞くと、結果ありき。にも、聞こえるんだよねぇ。いまいち納得できなかった点である。
いつも「いいね」と「フォロー」の応援ありがとうございます♪
この投稿が気に入った、参考になったと思ったら『いいね』を!
オルカを『推し』に加えてくださる方はフォローを!是非!
優しいコメントもいただけると、ちょっと安心します。
このカテゴリの記事をもっと読みたいと思っていただけましたら、是非『サポート』もお願いします。
「ココロもカラダもスピリットも、美しく健やかに。」
ヒーリングスペースオルカ
いいなと思ったら応援しよう!
