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Kaigoと作業療法 『生命の促進と消耗の最小化~サーカディアンリズムを整える~』


朝起きて、日中活動をして、夜睡眠という繰り返し。
睡眠では成人では1回の睡眠の持続時間はほぼ8時間で、一定の時刻に起きる。
このようなリズムを
「サーカディアンリズム(概日リズム)」という。

人間に限らず、ほとんどの生物に備わっている。

Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/…/%E6%A6%82%E6%97%A5%E3%83%AA%E3%8…)によると・・・

~概日リズム~
概日リズム(がいじつリズム、英語: circadian rhythm サーカディアン・リズム)とは、約24時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在している。一般的に体内時計とも言う。厳密な意味では、概日リズムは内在的に形成されるものであるが、光や温度、食事など外界からの刺激によって修正される。
動物では24時間の明暗の周期に従っており、完全な暗闇の中に置かれた場合には、24時間に同調しない周期となる。これをフリーランと呼ぶ。こうした非同調した周期は明暗などの刺激によりリセットされる。脳の視交叉上核が、体内のそうした周期に影響を与えているとみなされている。周期的でない周期におかれることによる概日リズムの乱れは、不快感のある時差ボケを単純に起こしたり、概日リズム睡眠障害となる場合がある。
概日リズムの乱れは、短期的には疲労、失見当識、不眠などがでてくる。いわゆる覚醒が不十分な状態となるので、上位の機能を司る思考や記憶、遂行機能能力は低下する。
長期になると、心血管系の疾患など体の健康にも影響を与える。

医療だけでなく、福祉や介護サービスなどを場面で、サーカディアンリズムが乱れている人をよく見かける。
そして、そのリズムの乱れを整える手段の一つに、
陽光アプローチがある。

今日は実際にそんな方に対して【介護】と【作業療法】の視点で陽光アプローチを行ったお話。

その方はデイ利用中も終始眠気が強く、覚醒している状態はほぼ少ない。
また、一見寝ているように見えるが・・・。
すぐに起きて「×●%#$””!」と喋ったりもする。
最近は覚醒の乱れが強い時は感情の起伏が激しいこともあった。

<作業療法的視点>
外に出ることは好きだったか?
花や土を触る機会はあったか?
など聴取。
「花は好きだけど今はいい・・いらない。眠い。」という反応。
完全に出鼻を圧倒的にくじかれた。
ご家族からも「家にいるときはご飯食べる以外はベッドで寝ている。」と情報。
目の前では椅子に座り、アルマジロのように丸くなり寝ている。

だけど、その方は面倒見が良い方なので、
「どうしても見てほしいものがあるから玄関前まで行ってくれませんか?」
とお伝えした後、しぶしぶ来て下さった。
歩行は手引き介助、立位保持は不安定で、両手で支えていないと倒れてしまう状態だった。

<介護的視点>
ご家族から「家にいる時はずっと寝ているという話」を聴取し、生活のリズム、生命力の促進と消耗の最小化を考え、関わる必要があると思っていた。
換気は定期的に行っており、新鮮な空気と触れているが
体操などの体を動かすことは本人の興味が無く又は持続せず行えない。覚醒は上がらない。またはこの方法は生命力の消耗につながるか・・・

そこで、
【介護】と【作業療法】の強みが合わさった。

本人の興味があるもの(好きなもの)と陽光に当たるという刺激によりサーカディアンリズムが整う方向へ傾き、生命力の促進をしてほしい。

玄関に出て、玄関前に椅子を置き・・・座ってもらい。
「見てほしいのはあのブルーベリーが出来てるよ!去年は塩害で不作だったでしょ。すごいでしょ!」と。

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そこで、こんな写真が撮れた。
起きてる。椅子に座って起きてる!!
しかも、「ブルーベリーいいねぇ。」と声も大きい。
しかも、すっごい笑顔!!

そして、私は、「生命力消耗してないか・・・むしろ心配になる💦」状態。(笑)

その方は、陽光が終わった後、歩行も安定し、片手引きで歩けた。姿勢保持も良好。
陽光だけでなく、食事、社会的接触などでも調整しなければいけないが、
ひとつの協同アプローチでこのような笑顔や声を聞けたことは良かったと思う。

最後に、
適度な陽光の効果をまとめる。
1.ビタミンDやヒスタミンの生成
2.セロトニン分泌
3.サーカディアンリズムの調整効果
4.温熱効果
5.殺菌効果
陽光によって体内の機能が活性化され、自然治癒力が高まる。

こういったことがデイで行える面白さ!
だから私は【介護】も好きだ。

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