ハゲ差別が激しく寛容な日本
ポリティカルコレクトネス云々もありますが、大抵の先進国では差別に対して強く非難されます。しかし、その一方で完全に無視されている差別もあります。日本におけるハゲ差別はその最たるモノでしょう。
毛髪に関して不自由な人、いわゆるハゲに対する差別は日本では激しいものがあります。そしてそのハゲ差別はまず間違いなく男性に対して行われます。女性あるいは病気によって頭髪が薄くなった人に対してはハゲと言ってバカにすることはありません。この辺はギリギリのラインとして踏みとどまっている感はなくはないですが、一方で男性特に中年の頭髪が薄い人に対しては猛烈にハゲ差別が行われています。
「このハゲー!」と秘書に向かって罵倒したり暴力を振るったりしていた豊田真由子議員(当時)に対して世間からも政治家からも非難が起こりましたが、ハゲ差別問題としては取り上げられていなかったと思います。暴力はそもそも犯罪ですが、暴言についても差別ではなくパワーハラスメントの問題としてみんな受け止めていたはずです。
もしあの問題が、例えば男性議員が女性秘書に対して「このアマー!」とか叫んでいたのであれば、豊田議員以上のスキャンダルになっていたのではないでしょうか。
もちろん、女性差別を軽く見るつもりはありませんが、ハゲ差別が世間的に軽く見られていることは間違いないです。
また、「ハゲ側がそれをネタにしているから」差別じゃない、という言説にしたって、例えば「ハゲ」を「女性」や「同性愛者」に代えてみれば話にならないことは分かります。
女性差別を女性達、女性団体が非難して無くそうとするのは当然です。別に女性団体にハゲ差別撤廃の支援をするべきだというつもりはありませんが、各種リベラルや差別全般の撤廃を謳っている団体がハゲ差別を無視していることが理解出来ません。彼らのリベラル意識、平等意識は偽物でしょう。
もちろん、ハゲ側がハゲ差別を非難し拒絶することも大事です。これが進むかどうかも一つの先進国化の目安になるのではないでしょうか。そもそも、他の先進国ではハゲ差別自体が存在しないのだとは思いますが。