ワールドカップ予選のメンバー発表を受けて
格下といえるミャンマー、シリアとの連戦のために、欧州組含むベストメンバーを召集した森保ジャパンに関して、いろいろ思うところがある人もいるでしょう。
順調にいっているときは新しいメンバーは親善試合で試して、ガチンコの試合は固定メンバーというパターンは個人的には問題ないと思います。
ガチ公式戦で新しいメンバーを試すのは調子が悪いとき、それこそ前回大会最終予選の第4戦オーストラリア戦を1勝2敗で迎えたときに田中碧や守田をスタメン抜擢して勝った試合のような時です。
調子が良いなら新メンバーを試せばいいじゃないと思われがちですが、ワールドカップ予選はテストマッチよりも戦いづらい部分もあります。ミャンマーとシリアは、間違いなくドイツ、トルコ、カナダ、チュニジアよりも弱いでしょうが、公式戦、それもワールドカップ予選を甘く見てはいけない。
「ワールドカップ本大会でベスト8以上目指すなら、余裕でアジア予選を勝ち抜かねばならない」と誰もが言いますが、そう簡単に勝てないのがワールドカップ予選です。状況は違えど、ユーロ2020優勝国のイタリアがカタールワールドカップ予選で敗退したのは、対戦する相手がそう変わらなくても、ワールドカップ予選では何が起こるか分からないことをハッキリ示しています。
ついでに言うと、来年のアジアカップも同様です。「ワールドカップ本大会でベスト8以上目指すなら、余裕でアジアカップ優勝しなければならない」と言う人もいますが、アジアカップはアジアカップでこれまたワールドカップ本大会・予選とは異なる試合です。
元日にタイ代表とのテストマッチが行われる予定で、対戦相手が発表された際、「タイ相手じゃ強化にならない」とか失礼な意見も目にしましたが、アジアカップ直前であることを考えると、むしろ良い強化試合になると思っています。
ワールドカップやその後のテストマッチで強豪を倒している現状を見て、アジア予選やアジアカップをことさら軽視する人が増えるのは残念と言うより危機感も覚えてしまいます。
本当に、アジアの闘いは別物なのですから。