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Netflixの人事制度ケーススタディ

2016年スライドシェアと言うプレゼン資料を共有するサイトにネットフリックスの企業文化、組織文化と人事管理についての「カルチャー& リスポンシビリティー」が公開されて(英文)、多くのスタートアップ企業から注目を集めました。

簡単にご紹介しますと「ネットフリックス」はオンラインDVDレンタル運営会社でした。一時期レンタル事業は成長していたのですが、その後は大きく業績を落としました、しかし、その後動画配信サービスに集中することで見事にV字回復のところか、今となっては動画配信サービスの最大手、そして膨大な収益を基盤に映画、ドラマ、アニメまで手掛けているコンテンツ会社としても知られ、あのディズニーまで威嚇する企業に成長しました。本当にお見事だと思います。

ここからNetflixの人事制度について、数年遅れて発信しようと思います。。。

1.Netflix企業文化の背景

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新人事制度導入のきっかけ
・急成長→売上低迷で1/3を解雇→たまたま急激に売上の回復で人材が足りなくなった、結果これまで以上の仕事を通常の7割の社員数でやる事態に

・それで、急に採用せざるを得ない状況が続き、社員には申し訳ない気持ちだったが、あるシステムエンジニア(サムと呼ぼう)と話していた時、追加採用が遅れることを謝ったところ、サムは今の状況がむしろハッピーだということ。スキルが足りず、一つ一つ教えないといけない社員より、少人数で作業するのがいい
・サムの話をきっかけに優秀な社員以外には採用しないことに。。

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2.Netflixの企業文化七ヶ条

・我々が重視する企業カルチャーに沿って評価する
・高いパフォーマンス
・自由&責任
・環境を提供し、コントロールしない
・戦略との強い連携、スピードを出すために必要時に結びつき
・給与はマーケットのトップレベルを払う
・スキルディベロプメント→チャレンジのみが生き残る、皆が主役

3.人事ポリシー(人事規定)

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・会社の方向性を理解し、高い生産性を指向する人を雇えば、97%のメンバは正しい(大人として常識のある)行動をとる。相当なコストのかかる人事ポリシーづくり & 運営は残りの3%のために費やされる
・「年休/勤務時間管理」「経費使用ルール」などの人事ポリシーを廃止
・判断基準「(もし必要なら)自分が立て替えてでも会社にとって使うべきコストか」とシンプルに決める
・制度をシンプルにすることでコストとストレスを下げる
・「費用対効果」という視点でロジカルに判断

4.採用

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・社員の定着率が目標では無い。最高のパフォーマンスを出す社員は残し、そうで無い社員は入れ替える
・意識の高いメンバを採用 & 定着させることに注力
・スキルの無い社員をケアするより、スキルの高い社員に1.5倍の給与で同じ仕事量の仕事をやってもらうのがより効果的な方法

5.評価

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・正式な個人の年次業績管理制度は撤廃
・まわりのメンバに対する、「どういうことをやめるべきか、やるべきか、(良い振る舞いなので)継続すべきか。」だけをコメントするインフォーマルな360度レビューを替わりに導入。会社が5段階で社員を評価する制度なんかを運営するよりは、シンプルに正直にパフォーマンスについて定期的に話すほうが効果的な方法
・業績管理にかかるコストは膨大で、全員が業績評価にかけてる時間を通常業務に振り向けると、会社の業績が向上してボーナスの原資が増えて皆がハッピーになるはず
・業績評価が昇給/昇格と結びついていて、それを公平にやりたいという人事側の強いポリシーで制度が残っているという事情であるならやめる
・業績評価を昇給/昇格に厳密にリンクさせるときの細かいレベル調整などが不要になり、時間のかかる業績評価プロセスをなくすことができた。
・全体の仕組みを単純にシンプルにするだけでなく、なぜそうできるのかの論理的な裏付けがある

6.報酬と福利厚生

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・Netflixの給与ポリシーは、「給与は市場相場で一番高いレベルを支払う」
他のどんな施策より、給与支給を優先
・市場価値:「自分の専門領域の市場価値が下がれば、どんなに努力しても給与は下がる。逆もしかり」
・有給休暇、出張時に経費の制限などは存在しない、社員一人一人を大人として接する。会社の利益のためにみんな力を注ぐことが唯一な義務

7.組織開発①(定着VS解雇)

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・他の会社では一般的に、パフォーマンスがよくない社員に、文章で改善すべき事項を伝えて、一定期間上司とコミュニケーション取りながら見守る(そしてダメなら解雇に至る)というプロセスがある。しかし、Netflixの場合は、「シンプルに事実を伝えよう。世の中のテクノロジーが変わった。会社が変わった。あなたのスキルセットがあわなくなった。」と率直に伝えて、退職金を上積みする
・心情的には厳しい対応ですが、前提として「Netflixで仕事するということは、その道の一番のプロになってもらうということ。育成というのは会社に頼るのではなく、(優秀な人は)自分で成長するもの」という前提

8.組織開発②(定着VS解雇)

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・Netflixはすべての職務で最も優れた人材を望んでおり、そのための採用・能力開発・解雇を「賢明に」実行している。
・ネットフリックスでマネジャーが使用する「キーパーテスト」とは、「自分の部下が競合会社の類似の職に就くために辞職するといってきたと仮定して、ネットフィリックスに留まるようにその部下を強く説得するかどうか」というテストである。マネジャーが自分自身にこの質問をし、回答が「ノー」、すなわち部下を説得しないと考える場合、その社員は「寛大な解雇手当を渡して即刻解雇すべきである。そうすればその職務をより優れた人材で埋めることができるから」というのがその論理である
・転職は必ずしも悪いことでは無い、Netflixで幸せに働けなくなったら幸せになれる会社に転職することは会社と社員がお互い幸せになる方法だ

9.組織開発③(制度を支える企業カルチャー)

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・「責任能力のある人材は自由を与えられることでさらに才能を伸ばし、またその自由に価する」というのがネットフリックスの考え方である。「成功を持続させる革新的な人材を惹きつけ育てる」ためには、会社の成長に合わせて社員の自由を制限するのではなく増加すべきだというのがその方策である
・プロセスを増やして安定させようという圧力に徹底的に争う姿勢を持つ。そうしないと、成功は安定するかもしれないが、どんどん時代遅れになっていく

10.組織開発④(環境を提供し、コントロールしない)

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​以上

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