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Photo by
niho_iida
緊張の中に希望を見た
娘が今朝からうんちをしていなくて、散歩をしてもご飯を食べても出る様子がなかった。
何度トイレに促しても「行かない」「出ない」と拒否される。
心配が募る中、そのサインは最悪のタイミングで訪れた。娘の頭を洗っている最中だ。緊迫した空気が俺たちを包み込んだ。
どうする……?と考える間もなく身体が動いた。右手でシャワーを手に取り、左手で蛇口をぐるりと回す。力強く泡を流し、半ば濡れたままトイレへと向かう。
濡れた足で歩くフローリングは人生の不確実性のように滑る。全力前進全集中。失敗は敗北を意味する。
無事便器に座らせた。親から子へバトンを渡す。「あとは任せた……」。娘は口を十字に結び、全力で力む。次の瞬間、下り龍が溢れ出した。その時思ったね、「お前、まるで大人のそれじゃないか」。
あまりの勢いに、俺たちは笑った。何気ない日常の中にも希望はある。それを感じられるかどうかは自分次第なのだ。