IPO有力候補!業界最大の事業規模を誇る【株式会社akippa】
最終更新日:2024/4/1
当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。
資金調達額の推移
公開されていない調達を加えて累計調達額は約35億円
企業概要
事業概要
駐車場のシェアリングサービスを提供している。
契約されていない月間駐車場や個人宅の車庫などをネットで予約して貸し借りできる事業となっており、介護に伴う一時的な利用/観光業の発展に伴う駐車場の確保など、社会課題解決にも貢献しているビジネスである。
業界最大レベルの事業規模を持ち、近年では有力なIPO候補として名を馳せている。
ビジネスモデルの図解
市場規模
【市場規模の推定】
富士経済による「自動車関連インフラシステム/パーキング&シェアサービスの市場予測 2019」を参考にした。
・駐車場シェアリング(2018年見込は35億円)
―2030年には1094億円に達する予測。
・パーキング系インフラシステム(2018年見込は1964億円)
―2030年には4996億円に達する予測。
【市場の全体トレンド】
場所のシェアリングエコノミー市場、自動車関連のシステム・サービス市場のどちらを見ても現在成長途中にあるため今後の伸びも期待できる。市場の伸びを見込んで新規参入が増加傾向にある。
【ベンチマークとなる企業】
スペースマーケット/タイムズなど
マネタイズに関して
【事業全体の収益性に関して】
駐車場利用者と個々人の空いた駐車スペース(一般的な駐車場や個人宅の駐車場など)をマッチング
【キャッシュポイントの額と頻度】
支払われた駐車料金の50%、利用者側へ有料サービスの提供(月額300円)
【固定費】
人件費、(サーバーの運営費)
【変動費】
不明
経営層
代表取締役社長CEO 金谷 元気
取締役 松井 建吾
取締役 杉村 大輔
取締役 小林 寛之
社外取締役 杉山 全功
社外取締役 今野 穰
社外取締役 中村 愼一
社外取締役 久保田 和史
社外取締役 原田 明典
社外取締役 松尾 優
▼ 公開経歴無し
監査役 清水 保彰
社外監査役 村田 雅幸
社外監査役 山口 要介
スキルマトリクス
MISSON・VISION・VALUE
Mission
“なくてはならぬ”をつくる
Vision
あなたの"あいたい"をつなぐ
Essential Value
ホスピタリティ
ーakippaが考えるホスピタリティとはー
WIN-WIN となることを目的とした「思いやり・心くばり」のことを指し、誰かの一方的な献身のうえに成り立つものではない。
また、「ひとはみな原則として善い状況を目指す」性善説に基づいている。
考え方や捉え方は個人によって差があるが、どんな場面でもまずは「相手を信じる」性善説の考え方に立ってみる多角的な想像力を持つことが大事。
Value
Think and Rush(最短を考え、最速で走ろう)
Done with Pride(使命感と責任感を持って、最後までやりきろう)
Win by Team(チームで最高のパフォーマンスをしよう)
人事制度設計
【採用】
・新卒採用:不明
・中途採用:有
・媒体 :自社HP、Wantedlyなどの求人媒体
・採用職種:営業、広報、iOSエンジニア、Webエンジニア
【等級・配置】
・異動有無:有
【評価制度】
・行動、能力評価:有
【報酬】
・報酬水準:年収500万円~800万円程度
・各種手当:通勤手当、住宅手当、家族手当、残業手当
・給与改定:年4回
・賞与構成:年俸制のため無し
【教育】
・その他教育
非エンジニア向けのプログラミング研修
【その他、福利厚生など】
・ストックオプション制度
・PC支給
・書籍購入補助、
・社員用akippaクーポン
・各種社会保険完備
インターン生による考察
個人が持つ駐車場だけでなく、商業施設などの繁忙時・閑散時の差が激しい駐車場も巻き込むことによってお互いにとってWin-Winな事業となっている点が魅力的である。また、akippaが駐車場を持たずに仲介だけを行うというビジネスモデルは、駐車場事業においてネックとなる土地の固定費を0円に抑える画期的なアイデアだといえる。
一方で、事業における主な懸念点が2点考えられる。
1点目は、駐車場の掲載数が増えなければ大きな伸びが見込めない事業であることだ。
駐車場の利用料からマネタイズしているので、駐車場の掲載を増やしていかなければ売上が伸びない。しかしながら競合他社も同じ状況に置かれているため、今後は営業による新規駐車場の取り合い合戦になる可能性がある。
2点目は、akippaの手数料が高額なことだ。
akippaは初期費用が掛からない代わりに、駐車場利用料金におけるakippaの取り分が他社と同等か高額な割合になる。この現状が続けばakippaより手数料が低額な他社へ乗り換える駐車場貸主が増加する可能性が高い。業界最大規模のサービスである今のうちに貸主が損を感じないように手数料などを見直し、貸主の囲い込みを行う必要があると考える。
駐車場利用料金だけでなく、保有するオウンドメディアと観光地・企業の提携や広告枠提供などを通してマネタイズ化の方法を分散させると収益基盤がより安定すると考える。
この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:YUK
さいごに
スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら
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【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。