売上総利益YoY72.1%増益!ノーコードでアプリを開発【株式会社ヤプリ】のビジネスモデル調査と人事課題推測
最終更新日:2024/4/5
当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。
資金調達額の推移
企業概要
株式会社ヤプリは、2020年12月に東証マザーズへ株式上場している。
事業概要
アプリ開発・運用をノーコードで実現するアプリ開発プラットフォーム事業を展開しており、その一環として高品質なiOSやAndroidアプリをコードレスで開発、運用することができるサービス「Yappli(ヤプリ)」を提供している。
テクノロジーの敷居を下げて、あらゆる企業や産業の変革を支援するプラットフォームを目指している。
ビジネスモデルの図解
事業における強み
ノーコードでアプリをスピード開発できること
エンジニアではない方でも、ブラウザ操作のみでアプリ開発・日々の運用を簡単に行うことができる。この仕組みは、ウェブ上の管理画面で入稿されたデータに基づいて、アプリ内でUIコンポーネントを組み立てることで実現されている。
Yappliシステムの機能性・利便性が顧客企業から評価され、2020年9月末時点でYappliシステムの契約アプリ件数は527件、累計アプリダウンロード数は約65百万ダウンロードと順調に推移している。
市場規模
該当市場として、アプリ開発市場を想定した。
【市場規模の推定】
直接的な市場規模は不明であるが、アプリ制作費と月額利用料が収益基盤のヤプリのシェアを1000億円程度と見積もる。庵原CEOは「われわれはシェア1%程度で、成長余地は大きいと感じる」とブルームバーグのインタビューで述べている。この発言から推測するとアプリ開発市場は10兆円規模の市場であると思われる。
【市場全体のトレンド】
世界のモバイルアプリ開発市場は、インターネット革命とスマートフォンの市場浸透の増加により、2019~2027年の予測期間中に約14.3%のCAGRを記録すると予想されている。
インターネット革命とスマートフォンの市場浸透の増加により、2019ー2027年の予測期間中に約14.3%のCAGRを記録すると予想されている。
※出典:Research Nester Private Limited「モバイルアプリ開発市場:世界的な需要の分析及び機会展望2027年」
【ベンチマークとなる企業】
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社
Claris International Inc.
グーグル合同会社
マネタイズに関して
【キャッシュポイントの額と頻度】
・初期費用と月額利用料(1年ごとに契約更新)
・平均月額利用料33.4万円(2021年度第1四半期時点)
・料金の定価はプランによって異なり、
「初期制作収入」280~360万円
「月額利用料」のベース利用料金は20~70万円、オプション料金は1機能で10万円以上である。
【固定費】
労務費(開発)、広告宣伝費、人件費(マーケティング、コーポレート、エンジニア)
【変動費】
労務費(ディレクター&デザイナー)
経営層
代表取締役:庵原 保文
取締役:佐野 将史
取締役:黒田 真澄
取締役CFO:角田 耕一
社外取締役:岡島 悦子
スキルマトリクス
ミッション・バリュー
ミッション
Mobile Tech For All
ヤプリのバリュー
➀感動体験の提供
「アプリが世界中で利用される理由はユーザーがデジタル体験に感動するから。ヤプリ自身もこれまでのWeb開発では実現できなかった新しいユーザー体験に感動し、特にプロダクト開発において「感動体験を提供すること」は最重視していきたいと考えています。」
➁再構築し続ける
「Yappliの管理画面で最も使用されている「再構築ボタン」。入稿した画像やテキストが本番のアプリに反映されるボタンで、押せば押すほどアプリが改善されます。同じように「日々の改善を大切にしよう」という意味を込めました。」
➂カスタマーサクセス
「顧客の成功に向き合おう。顧客が成功し、ずっと使い続けていただけることが、私たちのビジネスを成長させるための最も重要なポイントです。ヤプリの顧客と、しっかりと向き合っているメンバーを評価したいという思いがあり、バリューに加えました。」
➃チームドリブン
「多くの部門が連携して仕事をするため、仲間との協調が非常に重要です。ヤプリは創業時より庵原がビジネス、佐野が開発、黒田がデザイン、と各分野に特化し、かつチームプレイを大切に邁進してきました。今後も、このチームドリブンスタイルを堅持します。」
人事制度設計
【採用】
・職種別採用(新卒、中途の区別なし)
媒体 :自社HP
採用職種:プロダクト開発、セールス、マーケティング、カスタマーサクセス、コーポレート
【等級・配置】
記載なし
【評価制度】
記載なし
【報酬】
記載なし
【教育】
記載なし
インターン生による考察
スキルマトリクスを見ると、CEO、CTO、Designer、CFO、CCO、CMOと、とてもバランスの良い役員構成となっている。創業メンバーの3人がヤフー出身であることからYJキャピタル(現Z Venture Capital)にシードから投資を受けていることがわかる。経営チーム強化コンサルタントとして大手企業からスタートアップベンチャーまで幅広い経験を有する岡島氏を経営層に迎え入れ、「経営×人」の領域を強化し企業成長がより進んでいくことが予想される。
シード期から事業をピポットせず、シードからシリーズAまでの約2年間で得たプロダクトの強さと顧客の解像度が、のちの事業拡大の大きな軸となっている。Yappliは大手企業をターゲットとしており、提供アプリのダウンロード数は8千万回を超えている実績を持つ。ノーコードでアプリ開発ができるプラットフォームとして市場拡大を引っ張っていくと考えられる。
※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:SHO
最後に
スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら
弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから
【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。