人が足りなさすぎる!人手不足の今を俯瞰する
こんばんは。人材マネジメント研究所です。
このアカウントでは、東京大学大学院で人事労務管理について研究してきて、今もなお人材業界で働いている中の人が、人事・人材マネジメントについて広く議論し、人事の方に役立てるようなnoteを目指していきます。
今月は、人手不足とその打ち手の一つ、人材採用についてです。
経営者・事業担当者・人事それぞれに共通する最初の悩み事と言ったら、人手不足でしょう。だれもかれもねこもしゃくしも、ひとがいない。
①人手不足の現状
ねこもしゃくしも働く人がいないといっているが、人手不足とはなにか。
まずは統計データをみると、総務省の国勢調査によると、日本の労働力人口は減少傾向にあります。特に生産年齢人口(15歳から64歳)の減少が顕著であり、2010年から2020年にかけて約600万人減少しました。この傾向は今後も続くと予想されています。
ざっくり人口が減少しているという大きなマクロ現象を抑えたので、次は求人倍率などをみてみましょう。
厚生労働省が発表する求人倍率は、ハローワークでの実数をまとめたものなので、なかなか反映しているとは思えないため、dodaの転職求人倍率を参考にします。
下のグラフをみると、求人数が右肩上がりになっており、それに伴い求人倍率も高くなっているのがわかります。
②人手不足の原因
まず筆頭となる背景としては、少子高齢化でしょう。出生率が低下することによって、次世代の労働力が増えない。
高齢者が増えることは、働けない人口が増えることを意味します。
その結果、労働供給が減少しています。
次に、労働参加できない層がいることです。たとえば、女性の正規雇用率は年齢が上がるにつれて低くなっています。
これだけでコラムを1本かけますが、労働環境の問題や、さまざまな背景から、労働参加できない人々がいます。
長時間労働の是正によって、一人当たりの労働投入量はかなり減少しており、ここも人手不足の要因になっています。
いいことでしかないのですが、人手という側面から見ると、不足感を感じさせるには十分なデータです。
②人材採用について
今回は、そもそもの入り口である、「採用」に注目していきます。
もちろん、定着(辞めない職場作り)・評価・賃金…と、人材マネジメントにはさまざまなテーマがありますが、今後フォーカスできればと考えています。
いうまでもないことですが、日本の労働市場では新卒採用と中途採用と二分されます。
新卒採用市場では、大企業を中心に優秀な人材の確保が活発に行われています。一方で、中小企業や地方企業では、卒業する学生の数が少なく、採用活動が難航するケースが多いのが現状です。
充足できているかと言われるとそうでもなく、もはや新卒採用で必要数充足できるような時代ではないといえます。
中途採用市場では、経験やスキルを持つ即戦力の確保が求められる一方で、求職者側の転職意欲も高まっており、競争が激化しています。
総務省「労働力調査」では、転職希望者は増加を続けており、いまや6人に1人が転職を希望しています。ただ、転職したい人が転職しているかというとそうでもなく、転職者数は300万人前後で横ばいです。
③今月号の紹介
今月は、新卒採用の事例紹介・中途採用の事例紹介・副業・兼業人材による業務人材の確保について執筆する予定です。
最後に、採用を行いたい人事が考えるべきことや、打ち手をまとめる予定です。
今後ともよろしくお願いします。