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名前を呼ぶ。

弊社の社名は長いほうです(「カブシキガイシャ」を入れると24文字)。

銀行の窓口で呼び出されるとき、つっかえず一度でアナウンスしてもらえることはマレもマレ。「ホスピタ・・・ル・・ソーセ?」途中でいたたまれず(ハイハイそうですよね、難しいですよね、すみませんね汗)と割って入ります。お店で買物をしたとき「領収書のお宛名は?」と訊ねられても字数が多く、申し訳ない気持ちになります。研修の冒頭、企業の担当者が紹介してくださるときもハラハラしたり。

一方で「そんなに難しいかね」と思います。「ホスピタリティ」も「リソース」も近年ではどこかで耳にする機会はあるでしょうし。

要はちゃんと相手を「ロックオン」していないのでは。字面では捉えても、その名前をもつ人や企業自体に気が向いていないということ。名前を呼ぶ前に気持ちで相手に「正対(正面から向き合う)」していないので、つっかえる。

研修のとき、講師の私が名前の読み方をちょっとでも違えようものなら「何で?!」というくらい笑いやどよめきが起きることもあります。最近の "これは読めなくても罪じゃない” レベル<例:プロゴルファーの穴井詩(あない・らら)選手>は仕方ないとして、その人にちゃんと向き合う、「名前を呼ぶ」ことは、関係構築のスイッチだと思います。

今日、地元神戸の老舗洋菓子店でお遣い物を求めました。中年の落ち着いた雰囲気の店員さんが柔らかな笑顔と物腰で、終始過不足ない応対をしてくださいました。「領収書のお宛名はいかがしましょうか?」 と訊ねられ、名刺を差し出し「この社名で」と伝えたところ、丁寧に受取り、一瞬目をとおしてから素早く丁寧な文字で一気に社名を書いてくださいました。

お見送りの挨拶も温かく、さすがだなぁと感じました。一人のお客さまとして、歓迎され大切にされている。またここでお菓子を買おう、人様に差し上げるときに「ここのお店はね・・・」と、そのときのエピソードを話したくなる気持ちになるでしょう。

名前を呼ぶ。気持ちをこめ丁寧に、温かく。たとえ「(あの~)お客さま」の一言も、心はそのひとりに正対するつもりで。私もこれから名前を呼ぶ、いや、書くときもキーボードで入力するときも心の中でお相手の顔を思い浮かべ姿勢を正して呼びかけようと思います。



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