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(早期離職防止策)オンボーディングの重要性を理解しよう!

新しく入社した社員が直ぐに辞める

そんな悩みはありませんか?

「面接の時に聞いて話と違う!」

そう言われて辞めてしまうようでは、
何のために採用したかわからないですよね。

入社研修OJTなど、似たような制度が
揃っている会社は多いと思います。

しかし、

オンボーディングに力を入れているから
安心して入社してください!

そういった話はあまり聞かないです。

メジャーではないが、取り組むと得られる効果が
とても大きいので最後まで読んでくださいね。


1.オンボーディングとは?


本来の意味で用いられるオンボーディングから
先にご説明します。

オン・ボーディングと真ん中に「・」が
付くのが正しい表現であり、
船や飛行機に乗っているという意味の
「on-board」が語源になっています。

「on-board」のイメージ

絵のように、船に乗り込む人を
イメージしていただくと分かりやすい
と思いますが、新入社員が入社した際、

乗り込む途中で踏板が壊れたり、
乗り込んだ後もバランスを崩したりして、
船から落下しないようにサポートする

このように、
船に新しく加わった乗務員を対象にした、
現場に早期に慣れてもらうための
一連のプロセスを指します。

新入社員側から見たときには
「安心」につながることがメリットで

企業側から見たときには
「早期退職防止」を行うメリットがあります。

では、入社研修やOJTとの
意味合いの違い解説します。


2.入社研修やOJTとの違い


定義
オン・ボーディング(On-Boarding)とは、
新入社員を早期に戦力化するための施策のこと。
(中途社員も含む)

主に行う施策
・入社後に早く戦力化するために育成を行う
・上司との1on1で定期面談を行う
・人事との面談で相談内容のサポートを行う

このように主に正社員の入社から
配置、育成、そして活躍するところまでを
サポートする言葉として用いられます。

また、入社後の育成と被る内容が多いため
特に前半部分の手厚いサポートだけを指して
オンボーディングと称する場合もあります。

つまり、
入社研修やOJTとの違いは以下の通りです。

①入社研修
…ビジネスマナー習得や業務上のスキルアップ

②OJT
…早期戦力化のために行う業務上の育成

③オンボーディング
…組織の文化に早くなじめるようにサポート

このように言語化して整理していただくと
誰でも理解しやすいと思います。


3.正社員に限った話ではない


このオンボーディングは
正社員の育成に限った話ではありません。

アルバイト・パート社員から
派遣社員、スポットワークの人たちにも
十分応用できる話であり、
彼らの方がむしろ効果が大きいことを
ご存じでしょうか?

人員が定着しないという話を
突き詰めて整理をしていくと、
必ず以下の2つのどちらかになります。

①採用時に間違った情報を信じて入社したが
 思っていた内容との相違で退社に至るケース

②入社直後、またはその後の状況の変化が
 発生した際に、それを察知できず悪化してから
 発覚して離職に至るケース

①は採用広報や選考、内定者面談などの
各接触するポイント「タッチポイント」において
誤った情報発信や誤解を招くような言動がないか
徹底的に調査する必要があります。

話の受け止め方は人によって違うため
正しく情報を受け止めているかは
明文化した文章を提示するであったり、
ご本人に内容を復唱してもらい、
相違がないか確認を行う手法
が効果的です。

これはマニュアルやOJTの教育の際も
効果的ですので、ぜひ試してみてください。

次に、問題があるのは②のケースです。

特に非正規社員への扱いが正社員と露骨に差を
設けている企業は注意が必要です。

これは同一労働同一賃金(※)の関係で
仕事内容に差をつけるという方針を設けている
企業もあるので仕方がない部分もありますが、
それはあくまで仕事内容と賃金の問題であって
差別することの理由にはなりません。

※同一労働同一賃金
同じ会社で同じ仕事をしている正社員と非正規
社員の間で不合理な待遇差を設けないこと

では、非正規社員や派遣、日雇い雇用等
契約期間が決まっている人=有期雇用者
に向けたオンボーディングをご紹介します。


4.有期雇用者向けのオンボーディング


有期雇用の労働者は、仕事一筋ではなく、
他の顔をもっています。

それが、
本業がほかにある人で、副業である場合
家事あるので合間に働くという場合
趣味に生きるため、正社員を選ばないケース
他にも様々な理由があります。

彼らに、安定的な補償と代わりに
会社への忠誠心を高めるという手法

使えないため、過去の働き方しか知らない人は
厳しく鍛えて残った人だけ優遇すれば良い
という誤った考え方で仕事をしています。

これは、
募集すればいくらでも人が集まる時代の話
今は、中々集まらない状況下で
いかに職場を好きになってもらえるかの勝負
であると認識を改める必要があります。

このマインドセットを切り替える活動が
人事側には求められている仕事の一つで
企業のブランド価値向上にもつながるのです。

では最後に、
具体的な施策をどのように行えば良いか?
有期雇用者バージョンをご紹介します。

◆教育係を設ける

【現状の姿】
 ①忙しいから教育する時間がない
 ②分からないからミスが多発したり
  質問に答える手間が増える
 ③正社員への負担が増大し、
  怒りの矛先が有期雇用者へと向かい
  離職率が向上する
 ❹結果として、新たな人材確保のため
  採用コストが増大する

【理想の姿】
 ①教育係を設けて、ミスの発生率や生産性を
  評価の対象とする

 ②教育係の業務負担を軽減し、教育に重きを
  置くことでミスの減少や生産性の向上を図る
 ③教育係と非正規社員との間に信頼関係が
  醸成されて、エンゲージメントが向上する
 ❹結果として採用コスト削減へとつながる

こちらはあくまで理想論であり、
人手不足だから出来ないと諦めている人が
多いのが現実的ではないでしょうか?

しかし、有期雇用者でも
特に外国籍社員の雇用を積極的に行う職場は
通訳も含めて、キーになるスタッフを設けて
手当をつけるという形でも構わないので
「この人に聞けば良い」があるだけで
入社直後の不安や不満は低減されます。

今まで良い職場には、必ず世話係のような
人徳のあるスタッフがいることが多いことは
経験上からも得られている実感です。

◆デジタル技術を導入する

現在、最も多いのが動画による教育
最初にしっかり行うことで、ミスの防止
不安払しょくの効果が上がるということで
導入している職場が増えています。

特に単純労働を繰り返す職場で効果が大きく
職場の中央や休憩室にモニタを設置して
繰り返し正しい作業風景を流し続けることで
教育する人の負担を軽減しようとする動きが
見受けられます。

ただし、人が人を支える構図の方が
エンゲージメントには寄与するようです。
デジタル技術でコスト削減を意識しすぎて
この部分を見落とし、人と人との関わりを
減らして楽しようとするのは危険
があります。

◆サーベイを定期的に行う

社員が離職する原因で最も多いのが
仕事が自分に合わない
そして、次に
人間関係が悪い」になります。

この
仕事が合わないな
人間関係がうまくいかないな
という不安が周囲が気づかないことが多く、
これを定期的にサーベイで確認する
必要があります。

いわゆる、
社員満足度調査1on1が施策に当たります。

ただし、有期雇用者の場合においては
受け止め方に特徴があります。

「仕事が合わない」

体力的、精神的に根本的に職種として無理
という場合は仕方がないとして、
「仕事のやり方がバラバラ」
「聞く人によって違うことを言われる」等
標準化されていないことが
不安や不満につながる要因
となります。

その次に
「過剰なノルマ」や「高度な生産性」を求められる
があり、これも嫌われる原因の一つです。

「人間関係が悪い」

これは性格上、合わない人が同じチームにいると
それだけで全体の空気が悪くなります。
当人同士はもちろんのこと、周りの品質や生産性が
低下する危険性もあるため早期発見が必要です。

このように職場において
日々変化する状況に対して
常に目を光らせて把握するのは困難です。

また、配置転換で解決するケースが多いのですが、
いつ発生するか、そのキッカケを把握するのは
難しいことから、定期的な調査が必要です。

そこで、定期的なサーベイを行い、
第三者が定期的な面談を行うと
不満や不安を話してくれやすいということも
抑えておくと良くと思います。

特に新入社員がつまずきやすいポイントは
有期雇用者の場合も同じですが、
より現場の目先の業務や人間関係に問題が
発生し易い
という特徴があります。

ここに企業の制度として、
どのようなメスを入れるのか?

かける労力(コスト)の増加と
採用にかかる費用(コスト)の削減という
相反するコストへの天秤のかけ方こそ…

人事担当者の力の見せ所と
言えるのではないでしょうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。

昔は転職に対する世間の目や
仕事以外の繋がりによる人間関係の構築
(これが生産性低下への弊害もあるが)
といった形でバランスを保っていた側面が
かつてはあったと思います。

しかし、近年、労働人口の減少で
「売り手市場」となった中では
企業側が工夫をして乗り越えていくのか?

そのような試練が採用後も
人事には圧し掛かってきているように
感じている今日この頃です。


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