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アルムナイ採用(再雇用制度)の導入企業が少ない理由
アルムナイ採用ってご存じですか?
英語の「alumni」で、alumnusの複数形で、
「卒業生、同窓生、校友」を意味します。
いわゆるOB・OG採用のことで
一度退社した人を再雇用する制度です。
しかし、世の中で導入している会社は少なく
ある調査では約3割(28%)と出ており、
名前くらいは知っていても、
導入していない企業の方が多いのが実態です。
一般的にメリットしては
・即戦力の確保
・外部の知見を取り入れたい
など様々ありますが、
どうして実施している企業が少ないのか
貴方は分かるでしょうか?
今回は、魅力的な採用手法なのに
イマイチ浸透していない
アルムナイ採用についてお話します。
なぜ退職者を再雇用するのに抵抗があるのか?
まず、
最初に考えられる導入が少ない理由として
退職者=裏切り者
というレッテルを張っていないでしょうか?
例えば、
大きなトラブルに発展して退社する者や、
背任行為によって懲戒処分をするケースに
人事担当者であれば遭遇すると思います。
だから、頭で分かっていても…
退社=ネガティブなイメージ
退職者=問題があって辞めた人
というイメージが抜けないのは
ある意味で納得が出来ます。
次に、
企業の規模が大きくなる程
退職者の人数も膨大な人数になります。
だから、
『問題があって辞めた人』なのか?
自社では活躍していたけど、
他にやりがいを求めて退社した
『即戦力でまた来て欲しい人』なのか?
管理出来ていないという実態もあります。
だから、入社も退社も少ない
中小企業においては、採用活動における
効果は限定的ということになります。
一度退社した者は追わない
という企業もあると思いますが、
私は非常にもったいないと思います。
アルムナイ採用の真価は社内のEX向上にある
ウチは正真正銘のブラック企業で
転職する暇なんて与えず、
自己肯定感を下げ、社員を隷属するんだ!
こういう会社の方にはお勧め出来ないため
聞き流してください。
しかし、そうでない会社の皆様には
ぜひ覚えておいて頂きたいのですが、
アルムナイは何も『採用だけ』を
指すものではありません。
「alumni」は文字通り、卒業生を意味し、
退社後、良好な関係を持ち続けることで
・請負契約としてつながる
・取引相手としてつながる
・一ファンの消費者としてつながる 等々
色々な形で繋がりを持ち続けることも
広義の意味では含まれるのです。
そうした「繋がり」を重視する
企業は退社していく社員にも優しく、
社員を大切にする文化が醸成されます。
従って、
社内のEX(従業員満足度)向上
につながる施策の一つとして機能します。
また、
最近よく使われることばとして
「退社」ではなく、「代謝」という
表現をすることがありますが、
会社は個々人の集まりであり、
個人の私的な事情によって、
やむなく会社を離れていく方は
どの会社にも一定数いるはずです。
そうした方々を
目先のタスクが増えたことによって
「裏切者」扱いするのではなく、
「いつでも戻って来て良いからね」
と、笑顔で送り出してあげる会社の方が
真に社員を大切にしている会社と言えるでしょう。
アルムナイ採用に積極的な会社の姿勢は
普段からEX向上に積極的な企業の証である
そのように私は考えております。
最後に、
これは個人の経験則になりますが、
アルムナイ採用に積極的な企業は
口コミサイトの評価も高い会社である
と言って間違いないと思います。
ぜひ、貴方の会社でも
退職時、その後の繋がり、再雇用…
といった好循環を生み出す仕組みづくり
を検討してみては如何でしょうか?