「人的資本バーガー」がnoteの記事になりました!
最近目にするようになった、とある「人的資本レポート」を読んでいて、確信が深まった。
さらに、別領域の「専門家」同士の掛け合い(対談?)記事をざっと読みして益々その確信を深めた(2023.05.26 Updated)。
「人的資本とは」の説明が、例えば「今現在、人材戦略上重要となっている全ての事項」のように非常に曖昧模糊としているとそもそも「核」がないため、レポートの内容も全ての項目にわたって背骨がない軟体動物のようにグニャっとしたものになる。
「人的資本」は「個人の持って生まれた才能や能力と、教育や訓練を通じて身につける技能や知識を合わせたもの」、すなわち「(広義の)スキル」そのものであり、このように定義してこそ、「現状把握」といった場合にまずどのようなデータを可視化すべきか、「KPIの設定・改善」といったときに何を測定尺度とするのか、これらがしっかりと定まるのだ。
そして、「重要事項」として挙げられるもののうち、
「人材育成」はスキルベースでの育成のこと
「ダイバーシティ」は、「動的人材ポートフォリオ」の概念とも相まってスキルベースでのダイバーシティの要素も盛り込まないと意味がないこと
「流動性」はただ放っておいて促進されるものではなく、スキルベースで人材を把握できてこそ科学的に進めることができるもの
「エンゲージメント」は上記の様々なことに真摯に取り組んだ結果としてスコアに現れるもの
と説明することができる。
「健康安全」「労働慣行」「コンプライアンス」は、上記定義における「人的資本」をさらに高めていくために必要な「下地」といえ、もちろん大切な事項ではあるが、ハンバーガーでいえば「バンズ」の部分だ。(「人的資本」が「パティ」(肉)。)
また、かろうじてスキルっぽいものを可視化していそうに見えても、ありがちなのが、たった10種類くらいのスキル項目に限定してあらかじめプリセットしておき、その範囲で「あなたが持っているスキルはどれ?」「強化したいスキルはどれ?」というアンケートに答えさせてその結果をグラフにして開示する、というパターンだ。
このような表現では「人」を「型」にはめている印象があり、ダイバーシティを軽視しているというメッセージにも受け取られかねない。そもそも「人」はたった10種類くらいのスキルで表現し切れるものではない。「アセスメント」(パーソナリティ診断に近いやつ)だけに頼るとこういうことになる。
ところで読者の皆さんは、
ハンバーガー屋でハンバーガーを注文して、出てきたモノにはなぜだかパティ(肉の部分)が入っていない。
という状況に出くわしたことがあるだろうか?ないとしても、想像して欲しい。
そういうものを食べながら、
バンズ(パンの部分)がブリオッシュタイプで、とっても個性的ですね!
ベーコン、カリッカリっすね!良い!
ちょっとスパイシーなテリヤキソースですね、個性的で良い!
周りを取り囲むポテトたち、マックやモスとも比較しやすいけど分量が多くて好印象です。
と褒めてみるものの、肝心要のパティ(肉)が抜け落ちているので聞いてる方は虚しさを感じる。このハンバーガーの作り手も含めて。
別に、
肉がなくたって作り手がハンバーガーと思っていればそういうのもありだよ!インポッシブルバーガーだ!
とか、
現時点で肉がないのは残念だけど、他の部分が良いからそれでも十分だよ!
という意見もあるかもしれない。
しかし、、、、
だったら「これはハンバーガーです」って看板を立てないで欲しい。
上記のようなコメントをしたりスタンスをとる人たちのことを、
バンズアナリスト
ソースマニア
サイドディッシュコンサル
などと呼ぶことにしよう。
私はあくまでも「肉」を中心に批評をしていきたい。
今回サンプリングしたレポートのようなものは「人的資本開示」ではなく、組織運営や人事マネジメントをなるべくデータ・ドリブンにやってみました、その内容をちょっとまとめたレポートです!というだけのものだ。
専門家に依頼しているようだが、人的資本経営の専門家ではなかったようだ。
以上、全体を通じて「辛口なコメント」という印象を持たれたかもしれないが、裏を返せば、親身になって日本企業の「人的資本開示」の支援を行なっていると自負している。
それが、株式会社SP総研の「『人的資本開示』対応コンサルティングサービス」である。
コンサルティングファームを始めすでに各社同様のサービスを展開していると思われるが、当社のサービスの特徴としては(おそらく日本で唯一)「スキルの可視化」の支援まで行なっていることを挙げることができる。
仮に他社でも同様のサービスを行なっていたとしても、そのための手法として「セルフジョブ定義」を用いている点も加味すれば、「日本で唯一のサービス」といえる。
現場主導型の、日本企業にもマッチしやすい手法を用いながら、無理のない「人的資本開示」を目指して支援している。
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