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フリーランスから会社員へ!?キャリア形成のリアルな話
2024年12月21日の日経記事にこんな記事がありました。
◆フリーランス、会社員への転職5年で3倍 民間調べ 競争激化や物価高、安定が魅力 - 日本経済新聞
2020年以降はコロナ真っ只中。そこから急速にフリーランスが増えたのしょうが、一方でフリーランス間での案件獲得競争も激しくなり、会社員への回帰(フリーランスから正社員としての転職)が進んでいるとのこと。
私自身は2019年から独立しているんですけど、2020年の当時のTwitterでこんなことを書いていました。
組織に所属しない生き方として、フリーランスに憧れる話は多いけど、個人的に自身が商材として価値提供・マネタイズできるレベルになるまでは、組織で地に足をつけた方が良いと思ってる派。フリーランスの響きは格好良いけど、過去の積上げ資産ありきで、能力以上の成長機会のある仕事は得にくいから。
— Keisuke Dojo|HR"共走"パートナー (@hr_dojo) December 24, 2020
ここにも書いたんですが、キャリア的にも正社員って守られてるんですよね。特に若手の場合は、将来の会社での活躍を見越した上で能力不足であってもチャレンジングな仕事ができる機会を与えてもらうことができるという意味で。
これがフリーランスで独立するとなると、「できる仕事」でしか仕事はもらえないので、キャリア資産の積み上げが無い場合は、低単価・単純作業のような軽作業、代行のような仕事しか請けられないんですよね。
実際に話を聞いたこともあるんですが、「こんな低い時給単価でやってるの!?」と驚くこともありましたし、会社員と違って仕事が与えられるわけでもなく、仮に何もしなくても毎月固定の月給が保証されているわけでもないので、自分で自分の仕事(食いぶち)を取りに行く必要があります。(※これが一番のプレッシャーであり、上手くいかない時は精神が不安定になりがち。私が一定期間のPJ単位での月額継続契約としているのは、ここに心的リソースを持っていきたくないからでもあります)
下請法に似たようなフリーランス保護のための「フリーランス新法」が2024年11月から施行もされましたけど、この記事にも書いてあるように、まだまだ立場が弱いことが現実です。
「フリーランス=自由」みたいな謳い文句でキラキラ演出されているものもたくさん目にしましたが、実際に独立してみて、仕事を得ること、個人事業主とは言え、自分でバックオフィス(社会保険や月次会計、確定申告処理など)の手続きをしなきゃいけない、そのような厳しさや大変さも目の当たりにしたことでしょう。
よって、この結果はある意味必然的で、若手ジュニア層への「フリーランスいいぞ!」みたいなネットなどでよく見かけたテックスクールやフリーランス紹介会社のような安易な煽りの反動では…と思うのは私だけではないはず。
”キャリア形成”の観点から見たフリーランスと会社員のメリット/デメリット
<フリーランスの場合>
◆メリット
多様な経験:複数のプロジェクトやクライアントと関わることで、幅広いスキルと業界知識を身につけることができる。
自主性:自分のキャリアパスを自らが選ぶことができ、専門性を深めたり、新しいフィールドに挑戦したりできる。
スピード感:市場のトレンドに迅速に対応でき、ニーズに合わせて自分のスキルを磨くことができる。
ネットワークの拡大:様々な業界の人々とつながりを持ち、これが将来のビジネスチャンスにつながることもある。
◆デメリット
安定性の欠如:仕事の確保が不安定で、収入が月ごとに大きく変動することがある。
スキルギャップ:特定のスキルや知識が深まる一方で、他の領域の経験が不足する可能性がある。
ネットワークの質:浅く広い関係になりがちで、深い業界内でのコネクションが形成されにくい。
自己啓発の責任:自分の教育やスキルアップのすべてを自分で管理しなければならない。
<会社員の場合>
◆メリット
体系的なキャリアパス:企業内での昇進や異動を通じて、明確なキャリアステップが用意されていることが多い。
スキルの深化:特定の業務や役割に集中することで深い専門知識を身につけることができる。
教育・研修プログラム:企業が提供するトレーニングや開発プログラムでスキルを向上させる機会がある。
ネットワークとメンター:同じ企業内での長期的な関係から、強固な業界ネットワークやメンターを見つけやすい。
◆デメリット
キャリア選択の制約:企業の構造や方針に依存するため、自分の望むキャリアパスを選べない場合がある。
スキルの幅:特定の業務に閉じ込められると、他の領域での経験が不足し、転職時に不利になる可能性がある。
イノベーションの制限:大企業では分業化やしがらみによって、新しいアイデアや方法論を試す機会が限られていることがある。
評価の公平性:昇進や評価が必ずしも個人の能力や貢献に基づかない場合もある。
キャリア形成において、フリーランスと会社員のどちらを選ぶかは、個々の目標、ライフスタイル、リスク許容度などに大きく依存します。両者にはそれぞれの強みと弱みがあり、バランスを見極めることが大切だと思います。
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