誰得ドット絵リメイキング『宝石箱』
今回のドット絵メイキングは、たしか1年半くらい前にTwitterに投稿した #誰得ドット絵 『宝石箱』です。
ただし! この当時はまだドット絵メイキングをやっていなかったため、制作途中の経過画像を保存していません。しかも、あくまで #誰得ドット絵 に参加できればいいやと思って勢いだけで描いたものなので、いろいろとダメ! なところがあります。
そこで今回は昔描いた宝石箱のドット絵を手直ししていく様子をお届けしようというわけですが……
えっ「これのどこが宝石箱なの?」ですと!
はい、わかりますよ。お若い方……どころか45歳以下の方は知らないと思いますが、この『宝石箱』は、かつて日本が希望に満ち満ちていた時代に存在した伝説のアイスクリームなのです。基本的には『スーパーカップ』(明治)とか『爽』(ロッテ)と同じようなバニラ系のカップアイスなのですが、バニラアイスのなかに色のついた氷粒(=宝石)が散りばめられていたのです。
なお、その名のとおりカップは四角い箱の形状(カドは丸い)になっています。そこがドット絵にするときに難しいんですけど!
『宝石箱』、美味しかったし販売を続けてほしかったんですけどね……。こういうのはいつの間にか姿を見なくなっているもので、Wikiepdiaによると雪印乳業から1978年から1983年まで販売されていたそうです。
あら、じゃあ今年でちょうど没後40年じゃないですか。それでは今回の誰得ドット絵メイキングは、40周忌ということでおごそかに(?)進めてまいりましょう。なむなむ。
まずは問題整理
さて、最初にすべきは"問題点"の洗い出しです。古い方を見てみましょう。
まず、フチドリがありません。ぼくが最近描いているドット絵は原則として"フチドリあり"にしているので、ほかのドット絵と並べるときが来ると統一感がないのが不都合になります。
細かいところを見ると、そもそもカップの形状が歪んでいたり、方々に半端なアンチエイリアシング(境界線をぼかす手法)が使われているほか、全体に色が地味で背景色に負けている感じがします。
また、背景色を薄赤色に固定したうえで半透明色の影をつけているのも気になります。影を含めると32x32ドットの枠に収まらないのもダメダメです。
うーむ。なんだか、写真をスキャンして縮小したものをドット絵化するのと同じだけの修正を加えないといけなさそうですね。まあ、さっそく手をつけていきましょう。
全体サイズ調整
というわけで、まずは32x32ドットのキャンバスに納まるように全体を描き直していきます。フチドリを加えるため、周囲に1ドットの余裕も持たせなければいけません。
キャンバスの上半分・カップの白い口周辺のラインを引き直しつつ、下半分・黒い箱側面の形状を修正します。
影はつけません。影なしで、きちんとカップの立体感を出す覚悟を決めます。
フチドリを付与
白い口の部分と、黒い箱の側面部分を、それぞれ全体を囲むように暗色でフチドリをつけます。色はまだダミー色で、追々調整していきます。
下半分・カップの形状を修正
箱の側面は、もともと明色と暗色の境界を妙なギザギザ感のある塗り方にしていたのですが、これをやめて色の違いをクッキリさせます。また、右端のカド部分が元は明色になっていたのを暗色にしています。
上半分・口周辺の形状を修正
白い口の部分が浅かったのを深くしつつ、フチなどの暗色がなぜか暖色系(薄いイエロー)だったのを寒色系(薄いブルー)に変更します。
また、フタを開くためのツマミ(左)を少し大きくして目立たせます。
絵柄部分を調整
最後にフタや箱の側面に描かれている絵柄を修正します。
まずは「宝石箱」と名前が描かれている部分(ドット絵では判別できませんが)の色を寒色系に変えます。
さらに、メインの宝石風のキラキラを描いた絵の部分を少し広くしつつ、ハイライト色として白い点を加えます。緑色自体も少し鮮やかな色にします。
これにてリメイクは完了です!
ですが、せっかくですからフタを開いてなかのアイスを見せたバージョンも作りましょう。フタをとりま~す(なぜか反射的にうれしくなる)
バニラアイスを描く
というわけで、フタを外して中身のバニラアイスを描きます。
外周沿いを2段階の濃い色を加えることで全体がふっくらしているように見せます。
宝石投入!
最後に宝石(色のついた氷粒)を散りばめて完成です。
氷粒、こんなにたくさん入っていなかったかもしれないですけどね。思い出のなかではキラキラなのです☆
そして、ストロベリー、メロン、オレンジの3色を揃えたものがこちら!
いつもならスイーツ系のドット絵を描くときは「資料にするので!」と言ってお店にダッシュするところなのですが『宝石箱』は売っていないので今回それができなかったのが、ひじょ~に残念でした。雪印さんには、責任もって(?)ぜひとも『宝石箱』の再販をお願いしたいところです!
(おしまい)