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0.1歩前進? ~マンション・団地で猫を飼おう計画

前回に引き続き、古い団地によくある不当なペット飼育禁止規定を解消する活動で、4月に団地理事会へ提出していた第2回要求の回答書面が届いた件の報告の続きです。なおタイトルの写真は、2月以来の再会を果たせたユキちゃん(勝手に命名)です。

「村長」こと、ムラ社会化したうちの団地の副理事長(今度理事長に昇格)による直筆お手紙のうち、村長の"人となり"がわかる「怪文書」的な部分は前回の記事で紹介しました。

"トンデモ"の多い回答書面ではありましたが、とはいえ一応普通のことも書かれていないわけではありません。今回は回答書面の結論的内容と、いくつかの小さな成果について報告していきます。

結論

結論から言うと、こちらが求めた「ペット飼育協約の見直しを始めること」と「動物の種類に応じてペット飼育細則を定めること」は、「理事会で議決」により「"全会一致"で否決」されました。

もともと易々と前向きに対応させられるとは思ってはいませんでしたが、それでもこういう結論を突き付けられると"心中穏やか"とはいかないものですね。

ただ、妙なオマケもついてきました。

それは「組合員の1/10の署名を集めてくれば検討する」という理事会の決定です。え?

署名集めは諸刃の剣

「否決」と矛盾する気がしますが、この「組合員の1/10の署名を集めてくれば検討する」という理事会の決定を(頼んでもいないのに)得られたことは、普通に考えれば大きな前進です。

今回の記事タイトルも、本当は「1歩前進!」としても良いくらいに。

"理事会の決定"は今後理事が入れ替わったあと、将来の理事会に対しても有効ですから良いカードを1枚もらったことは確かです。この署名集めの件は、慎重に考えてから別記事にまとめるつもりです。

話を進めて、4つの小さな成果を報告していきます。

小さな成果① 資産価値減少を無視して議決

第2回要求でこちらがもっとも重要だと思っていたポイントは、「ペット禁止により潜在的な資産価値減少(100~200万円程度)が起きており、住民の利益に反している(=ペット飼育可であれば資産価値が上昇する)」というこちらの指摘に対する理事会の受け止めです。

ところが、まったくの「ノーコメント」でした。

3月の会談でも、村長は都合の悪い指摘があると「ただ黙ってしまう」という態度でいましたから「ノーコメント」は想定内ではありましたが、無視するとは……「よくやるな、おい」という気分です。

でも無駄にはなりません。"100万円単位の資産価値変動を無視する"という行ないを、村長の私見だけではなく理事会として認識したうえで「議決」したことは重大です。

「理事会は100万円単位の資産価値に関わる提案を勝手に判断した」という越権行為の事実を書面化できたことは小さな成果のひとつとなり、住民向けに何かを訴える際には"使える"事実です。少々ネガティブですけどね。

小さな成果② 完全室内飼育を禁止していないという現状認識に異論なし?

第2回要求には「当団地の協約では、現状でも完全室内飼育を明確に禁止してはいない」とのこちらの見解を含め、そのうえで最後に「今回の内容に異論があれば文書で」と記しておきました。しかし、理事会からの回答書面にはこの部分についての異論がありませんでした。

村長が都合の悪いことを無視する人なのは明白なので、ある種の"トラップ"として仕込んでおいたのですが、こうも見事にはまると逆に驚きます。

とはいえ、もちろんこれはちょっとした"お遊び"みたいなものです。これを根拠に「我が団地は完全室内飼育を禁止していない! さあペットを飼おう!」などと触れまわるつもりはありません。

それでも「現状では完全室内飼育を禁じてないとの指摘に、理事会から異論は示されなかった」は紛れもない事実ですから、使いどころがあれば使っていきたいと思います。

小さな成果③ 不安要素を知る

ペット飼育に否定的な回答書面の内容を通じて「動物に関心のない人が何に怯え、どこに反発するか」といった不安要素がわかるのは良いことです。

うちのような古い団地の住民の多くは「集合住宅ではペット禁止が当たり前」と思って何十年も過ごしてきた人たちですから、動物の生態に詳しいわけもなく「ペット飼育」と聞けば"ただなんとなく、不安"になります。

だからといって彼らをダメな人とみなして非難したり、好戦的な態度をとっても埒があきません。こちらは決してペットを飼って住民に迷惑をかけようとしているわけではありませんから、彼らの言い分、特に具体的な不安点については「安心」をテーマに訴えていくための材料としてとても有効な情報になります。

例えば、村長宅の真上の住民が猫を飼っていたという話は以前の会談で聞いていたのですが、回答書面には「猫の足音が聞こえていた」ことが記されています。

猫を知っている人なら「肉球をなんだと思ってるんだ、オイィ!?」とプニプニ天国へご招待してしこたま説教し、そのまま成仏させたくなるところです。

ただ、村長は嘘でこういうことを言うような狡猾な人物とは違います。

実際、猫が走ったときや、タンスの上から降りたときの足音は聞こえると思います。聞こえたというだけでは「騒音」とは呼べないのですが、マンション住民が過剰に神経質になりがちなので無視はできません。広く賛同を得る必要がある際には「過剰に神経質」を前提にした対策を考える必要があることを改めて肝に銘じました。

村長のような人を説得できなければほかも同様と思って、油断せずに行きたいと思います。

小さな成果④ 『平成6年8月4日東京高裁判決』

回答書面で、理事会が『平成6年8月4日東京高裁判決』を持ち出してきました。これは予期せぬ収穫であり、①~③に比べると小さくない成果です。

このnoteではすでに詳しく読み解いたものを記事にしてありますが、『平成6年8月4日東京高裁判決』は、マンション住民による犬の飼育をめぐる争いのなかで「"規約"では(細かいことを決めきれないので)一律ペット禁止とし、動物の種類ごとに"細則"を定めることを合理的」としたものです。

もちろん理事会はこの判決が「一律ペット禁止規約を無効としなかった」ことを誤解して「うちの団地はなにもしなくていい」という理由として持ち出してきました。しかし、こちらが要求している「飼育条件、細則を定めること」はまさにこの判決の法令解釈に即したものですから、理事会がこの判例を踏襲してくれるなら話が早くてありがたいところです。

ネット上の弁護士による部分的な紹介記事(コピーが添えられていた)に反射的に飛びつくから、こうした失態を犯すわけですね。原典をあたることの大切さがよくわかります。

今後どうするか?

というわけで、以上のように大きな前進はありませんが、細々と理事会のシッポをつかむことができつつあります。もちろん、ただ追い詰めるだけでは不十分ですけどね。

また先週末、団地管理組合の総会があったので出席し、理事会だけではなく組合全体の"空気感"を探ってきました。前回の記事、自転車駐輪場の件で名前が出ていた「有名な○○さん」と村長の対決もあったのでそれも録音してきました。

次回はそのあたりのレポートも交えつつ、今後の出方を考えていきたいと思います!

(つづく)

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