#140字小説 が難しい(後編)
ずっと気になっていた140字小説への挑戦。中編からの続きです。
むつかしいな~と思いつつ、ようやくお見せできるものを2編ほど書いてみました。なお2編とも睡眠に関する話になりましたが、偶然です。眠かったわけじゃないです! ほんとですよ!
『騎士』
投稿順を逆にしてしまいましたが、記念すべき1作目がこちら。
#140字小説 には清涼感のある作品が多いので、できれば溶け込んでいこうと気をつけた作品です。
創作のセオリーとして、登場人物に"弱点"を持たせることから考えました。
弱点といっても「足が悪い」とか「子どもが苦手」といった誰にでも当てはめられる弱点より、その人ならではの"超困りごと"にする方が発展させやすいので、「馬が苦手な騎士」としました。「空を飛べないパイロット」とかもいいですね。
展開としては、まじめに苦手を克服されてもおもしろくないので、逆に行き"騎乗られる"ことにしました。
なお、実際にお腹のうえに猫が乗ってきたら前足でグッとやられた瞬間に飛び起きますが、深い眠りか、はたまたまだ夢の中か。曖昧化させる要素として入れてあります。
短いこともあり、ロジックだけで構成できたのはラッキーでした。
『目覚まし時計』
ユーモアの基礎として「おかしな目に遭っているのを、傍で見て笑う」という構造が簡単なので、やってみることにした2作目。
いつも部屋でぼくのことを見張ってチクチク言ってくる時計のやつをおかしなことにしてやろうと呪うところからスタートです。
単純に見た目が似ている蓮根をチョイスし、相違点である穴の数と針の有無をイジります。話を展開させるために露骨に時間を進めようとすると安っぽくなるので、行動はさせずに認識の変化だけで物語性が出るようにしました。
この「行動はさせず」が結果的にオチにつながり、自然にジョークとして成立しました。指針を持って臨むと、自動的に物語ができるのですよフフ(偶然のくせに偉そう)。
ところで、ジョークは「なぜか」の答えを書かなくて良いので短文化させやすい反面、わからない人はわからないままになるので評価は下がりやすいです。そこは"覚悟"が必要かもしれません。
まとめ
はじめは「300字くらい書いてから、半分に圧縮しよう」と思っていたのですが、そうはなりませんでした。そういう技術的アプローチより、ロジックや指針をもって臨む方がいいのでしょうか。まあ短文ですから、合理性を追求せずとも合理性に追及されてしまうのかもしれませんが。まだまだ勉強と練習が必要です。
世間の評価はさておき、自分としては2編ともたいへん満足なデキとなりました。特に2作目はもう最高傑作。尊敬する谷川俊太郎先生に一歩近づけたと自画自賛しています(言い過ぎ)。
つまり「これ以上はムリ!」ということですけどね。逆にそう思っていれば、今後は気楽にやれるというものです。なにか閃いたら、また書こうと思います。新参者ですが、どうぞよろしくお願い致します。