3周年記念ドット絵『KONJAC』
うっかりしていたんですけど、気付いたらnoteを書き始めて3年の月日が過ぎていました。おお。おめでとう! ありがとう!
今日はその記念として、3年前からずっと描こうと思っていた『こんにゃく』のドット絵にチャレンジします!
3年前の今頃「秋だし、そろそろおでん食べたいな~」と思っていたのですが、焼き芋とか、栗とか、カボチャとか、秋の味覚には事欠かないじゃないですか。
それに、おでんといっても、いわゆる「チビ太のおでん©赤塚不二夫」を描くのもあれ(絵的に小さくなりすぎ)ですよね。じゃあ代表的なおでんの具といえば、その筆頭は『こんにゃく』しかないだろうというわけです。
でも! こんにゃくって明らかに見た目で「美味しそう」には見えないじゃないですか。「味気ないこと山の如し」の"全身グレー"だし、なんなら黒いブツブツまである。
どうしよっかな~~~と思っているうちに3年経ってしまいましたとさ。
で……
え、前置きが長いって? 3年も寝かせてきたんだから今さらだとは思いますが、まあそろそろ描いていきますか!
まずはアタリをつける
まずは24x24ドットのキャンバスに、いつもの微妙な角度で『こんにゃく』の大雑把な形状・アタリをつけていきます。
① キャンバスに納まるサイズで直方体を描きます。
② 側面に影色を塗り、立体的に。
③ ブツブツを描き足し、雰囲気チェック。OK!
完成形が全身グレーになるので、下描き色は非グレーにしておきました。
最初だけ「はんぺん食べた~い」と思いましたが、こんな赤カビが生えたようなのは無理無理です。うーん、それとも「タラコはんぺん」でしょうか? そんなの、聞いたことないけど。
食べられる色に
タラコはんぺんのままではイメージがつかめず作用が滞りそうです。形状はこれで良さそうなので、早々に色を決めていきましょう。
RGBの色が対等な"完全グレー"だとあまりにも味気ないので、有機的なムードを出すために少し黄色味をつけてみました。
うーん、「石」ですね。食欲がわきません。
こんにゃくの見た目が不味そうなのは、つまり見た目が「石」と同じだからなんですよ。下手に描くと、石と見分けがつかない。
そこを逆手に取って、この3周年の機会に「石の上にも3年」をオチにするのもありかな~と思っていたのですが、なんだか渋すぎて気が向きません。
石との違いを強調していく
というわけで、石との違いを強調するつもりで描き進めていく必要がありそうです。
石との最大の違いはやわらかいことですが、それは見た目ではほとんど表現しようがありません。なので「透明感」を出すために、直方体の「底」の部分に薄めの影色を落とします。「スライム」などのモンスターや、宝石などによくある透き通っていることの表現方法ですね。
そういえば、ぼくが長年プレイしているMMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF11)には"Konjac"というスライム系のモンスターがいます。このKonjacを「こんにゃく」と読むのですが、これ何かのこじつけではなく正式な学名(Amorphophallus konjac)から来ているんです。
あくまで語源は日本語の「こんにゃく」らしいのですが、英語で表記すると"Konjac"になると。日本がJapanになる感じでしょうか。
と、タイトルの伏線も回収したところで! 完成へ向けてあとひと踏ん張りしていきましょう。
続いて、中間色を加えて全体に丸みをつけました。
他のドット絵なら外周沿いに置く暗色はキレイな線にするところなのですが、今回はあえてところどころ途切れさせることで、遠目には「歪んでいる」ように見え、近くで見ると「ブツブツかも?」と思わせるようにしてみました。
ところでブツブツをあまり無作為な配置にすると、見る人の脳が点と点を勝手に結んで"意味のある形状"を見い出してしまうので、そうはならないように「2個でひと組」になるよう意識し、調整します。
夜空を見上げて「星座」を探すのはステキなことだと思いますが、今回はそんなロマンはぶち壊すのです。
ツヤをつけて完成!
最後に、ツヤを出しましょう。石との大きな違いですからね。
カドのあたりに柔らかめのハイライトを入れますと……
はい、ドット絵『こんにゃく』の完成です!
さすがに作業過程で「美味しく見せる」ような工夫はできなかったのですが、自分ではよく火が通った美味しい「ほかほかこんにゃく」が出来上がったと確信しています。
なぜかって?
そりゃあ、3年も温めていたからですよ。
(おしまい)