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2022年5月の記事一覧

ダムの底のメタバース・序文

なんとかザッカーバーグさんが「メタバースやるぞ」と宣言し、社名をフェイスブックからメタに変えたのって、昨年末くらいでしたっけ。 その直後から「FF14などのオンラインゲームもメタバースのひとつ、メタバースはすでに存在している」という意見がありましたが、近頃は「オンラインゲームはあくまでゲーム。生活感を重視した(VR)世界こそがメタバース」だとする主張が強めになっています。 後者の主張は、今何かを作っていて、そこにメタバースのラベルをつけて注目を集めたい(予算を取りたい)と

トレパクの是非について考える

絵を描くときに、既存のイラストや写真をトレースする"トレパク"について考えます。 といっても"トレパク自体"を「是」か「非」か問うのは大雑把で、乱暴な話です。 また、トレパクを「是」としたい思惑がある場合に論点を「法的に許されるか」に寄せていくことがよくありますが、これはアンフェアであると同時にとても危険なことです。 基準は「法的に許されるか」より手前にある法的に許されるか否かという論法は「法的にアウトでなければ、やってよい」という結論を導き出すために使われます。この場

編集者は告げた「もっとパンツ見せろ」と。(後編)

前編から続きです。ある日、マンガ家を志す青年ヒトシは、作品持ち込みのため大手出版社を訪れる。しかし編集者は作品を見もせず、ヒトシに覆いかぶさると「HENTAIしようぜ」と囁いた……。 冗談はさておき(ごめんなさい)。 雑誌などの媒体にどの作品を載せるか、あるいは単行本などの商品として何を発売するかを決めるのは出版社です。作者が一方的に「載せてほしい」「売ってほしい」と言ったところで自由にできるわけではありません。 「俺の作品を載せないのは表現の自由の侵害だ!」と言っても

編集者は告げた「もっとパンツ見せろ」と。(前編)

かなり昔、ジュラ紀のちょっとあとくらい。美少女誌(イラスト系ロリコン誌)も出しているとある編集部にお邪魔した際に、担当編集者がイラストレーターとの打ち合わせの様子を再現しながら口にしたセリフが今回の記事タイトルにあるソレです。 この手の本の中身はソフトなものからハードなものまで色々あるらしく、カラーページのみでできている本は絵柄的に「かわいい」を売りにしたファンシー路線、モノクロページが多いほどマンガに頼る(絵柄だけでなく"行為"で表現するのでエグいものになる)傾向があるよ