【鴨ブックス】きれいごと
先日、NHKの朝ドラ「おかえりモネ」で、気仙沼に戻ってきた主人公モネ(清原果耶)に対して、幼馴染のりょーちん(永瀬廉)が発したセリフに胸がヒリヒリしました。
子供の頃から気心知れている二人なのですが、この日ばかりは様子が違い「モネが地元のために帰ってきたというのは、正直『きれいごと』にしか思えない」と本心を真っ直ぐに言ったのです。
対するモネは、それに対し怒ることも泣くこともせず「『きれいごと』だと思われても仕方ない」と言葉を返し、キチンと受け止めました。やはり、覚悟があって戻ってきたんですね。
このやり取りを観ていて僕は、なんかお侍さんみたいだなー、と思いました。そして、この台本こそ『きれいごと』じゃないの?とも思いました。でもドラマのなかでは浮いていないのは、筋書きがいいのかなぁと感心しました。
現実的には、帰ってきた仲間に「きれいごと言うなよ」とか言わないじゃないですか。「おかえり」とか「またがんばろうね」が普通ですよね。でも、本当はその背後には、そういう気持ちも隠れているのかもしれません。
そう考えると、背筋がゾワゾワしてしまいました。
僕もふたたび出版界に帰ってきたからです。そして出版のお仲間の皆さんに言われるのは、ほとんど「おかえりヒロ」という一言なのです。「また一緒に仕事ができて嬉しい」「あなたがいると心強い!」と言ってくれる人もいました。ストレートに嬉しかったです。ありがとうございます^^
あれから数ヶ月。いよいよ今月末に、鴨ブックス最初の本が出ます。
いまは営業活動の真っ最中。全国15カ所の鴨ブックス営業部員の皆さんに、新刊注文書をお渡しして、全国の本屋さんにご挨拶に行ってもらっています。本の詳細は、オンライン書店e-honの予約画面でご確認ください。(表紙は若干変更となる可能性があります)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-910616-00-1
e-honの発売日表記は土日の関係で11月1日になっていますが、実際の全国書店発売日は10月29日です。書店様からの事前注文の締め切り日は、10月14日です。店頭展開をご検討中の書店様、ぜひ取次担当者様または文系ヒロのTwitterアカウントまでDMでお知らせください。
出版界に戻ってから数か月、その間には「書店を元気にする出版社」として自社の利益よりも書店の利益の改善を考える(本当に時代に取り残されているんです)と宣言しました。*基本的に全商品書店利益率30%です。
業界紙各紙でも大きく取り上げていただきました。でももしかしたら「新参者だからできる」とか「経営できるのか」とか、「おかえり」の背後にある言葉を飲み込んでらっしゃる方がいらっしゃるのかもしれません。
そう考えて、モネを観ながら背筋がゾワゾワしたんです。
ただよく考えたらおかしいんですよ。だって出版界の皆さんは、ずっと「変わらなければいけない」と言い続けてきたんですから。予定調和とか、総論賛成各論反対とか言われながらも、結局、変化を拒んできたのです。
でも今の時代、小さな新規出版社ならできるはずなんです。そういう風にして生まれた会社は、世の中にいっぱいあります。いわゆるチェンジメーカーです。僕たちは本当は変えられる箇所にメスを入れていきたいと思ってます。
そして、追随者が現れるようなモデルを作りたい、と思っています。だから成功したら、情報公開するのが目標です。僕は「きれいごと」で生きていきます!!!そして、皆さんは共犯者。一緒にこのプロセスを楽しんでいきましょう!!!!
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