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やさしい漢方入門・腹診 第七回「腹証と養生 その4」
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漢方の診察で必ず行われる「腹診」。指先で軽くお腹に触れるだけで、慣れた先生になるとこの腹診だけで大凡の患者さんの状況や見立てができるといいます。「でもそんなこと難しいでしょう」と思うところですが、本連載の著者・平地治美先生は、「基本を学べば普通の人でも十分できます!」と仰います。そこでこの連載ではできるだけやさしく、誰でも分かる「腹診入門」をご紹介します。
お腹で分かるあなたのカラダ
やさしい漢方入門・腹診
第七回 「腹証と養生 その4」
文●平地治美
胸脇苦満(きょうきょうくまん)とは
「胸脇」とは胸と脇、つまり前胸部と両わきの下にある〝肋骨〟の部分を指します。この部分に圧迫感や、へんな感じ(感覚異常)があり、胸苦しくスッキリしない状態です。
もしかして自分がそうかも……と思い当たる方は、まず床にあおむけに寝て体の力を抜き、手の指先を肋骨の下あたり(季肋部辺縁、いわゆる“みぞおち”)に当て、上のほうへぐっと押し上げてみてください。指先が季肋部の少し中まで入り、抵抗や圧痛も感じなければ大丈夫。問題ありません。
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