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TimelabがLynxに進化。プロジェクト立ち上げから正式リリースまでの裏側大公開。

これは「Timelab Advent Calendar 2024」の16日目の記事です。

こんにちは。タイムラボの保積です。

本日、2020年からプロジェクトスタートしたTimelabが約4年間のβ期間を経て、Lynx(リンクス)としてブランドを刷新し、正式リリースを迎えました。(創業から含めると約7年もかかってようやくファーストプロダクトを正式リリース…いや長かった。)

この4年間を振り返ってみると、開発が思ったように進まず計画が大幅に遅れたり、資金繰りが厳しく一時開発をストップせざるを得なかった時期があったりと…そんな数々の困難を乗り越えようやく迎えた正式リリース。

本記事では、プロダクトオーナーの視点でLynxの前身となるTimelab誕生の背景や、開発秘話、ブランドリニューアルの裏側をお伝えできればと思います。ぜひコーヒー片手にゆるりと読んで頂けたら幸いです。あっ、よければLynxもぜひ触ってみてください。ここ大事。

Lynxのサービス紹介

まずはLynxのサービス紹介から。まずはこのかわいいコンセプト動画だけでも見て欲しい。最高にかわいい感じに仕上がってます。

Lynxは、仕事、副業、プライベートなど複数のカレンダーアカウントを管理し、スケジュールが分散している人の課題を解決するために生まれました。

複数のカレンダーを管理している人は、各アカウントを切り替えて予定を登録・確認したり、カレンダーで予定が入ると他のカレンダーにも同じ時間帯に予定が入らないようにブロックしたりと、多くの手間と心理的なストレスを抱えています。ダブルブッキングにゾッとする経験をした人も多いのではないでしょうか?

Lynxは複数のGoogleカレンダーやMicrosoftカレンダーなどのアカウントをまとめて管理し、異なるカレンダー間の予定を自動で同期してくれます。もうダブルブッキングを恐れて、予定を他のカレンダーに手動でブロックする必要はなくなります。

Goodbye👋ダブルブッキング。

Lynxで各カレンダーごとにバラバラに散らばったスケジュールを自動同期しておくと、そのカレンダーを共有している側の人にも、すごくメリットがあります。

副業先のメンバーから空いてる予定を聞かれたり、日程調整したりするケースは多いと思いますが、Lynxで副業先のカレンダーに自分のスケジュールをすべて同期していると、副業先のメンバーがあなたの空き時間が分かるようになります。

いちいち、カレンダーの空いてる枠を探して、Slackで候補日を送って調整するなんて必要はありません。

ただ一言こう言ってください。

「私はLynxですべてのスケジュールをシンクしていますよ😎

もはや副業やクライアントワークやるならスケジュールの同期は、一緒に仕事をする人たちへのマナーですね。

やりましょう、Lynxでシンク。

Timelab誕生の物語

Lynxの前身となるTimelabは2020年12月にプロジェクトスタート。当時は日程調整ツールのプロダクトを開発しており、もうすぐβ版としてリリースするようなタイミングでした。しかし、最終的には約10ヶ月間かけて開発してきたそのプロダクトを出さない決断をします。

僕らも2020年にカレンダーの空き枠を自動で抽出して、リンクを送って日程調整するアプリのプロトタイプを作っていました。でも、結果的には自分たちが目指していたユーザー体験じゃないと気づき、最終的にはリリースをしませんでした。
——「目指していたユーザー体験じゃなかった」とは?
日程調整アプリって、すごく便利ですよね。でも、空き枠を自動抽出して送ったときに、相手がどの枠を選ぶかわからない。たとえば重要なミーティングの前に予定が入ってしまうと、「心の準備をしたかったのに」とか「もしもその予定が押したら重要なミーティングに遅刻してしまう」とかソワソワするじゃないですか。
相手はこちらの予定が見えていないから、そうなってしまうのも無理は無いのですが、これってアンコントローラブルだなと思ったんです。「時間をデザインする未来」を作りたいのに、作っているプロダクトによって時間をアンコントローラブルに“させてしまって”いて、ユーザー体験としては良くないなって。多くの時間とお金を投下して開発を進めていましたが、思い切って出さない意思決定をしました

過去のインタビュー記事より引用

そんな絶望の中、生まれたのがTimelabでした。当時、僕とCOO友成はコンサルなど外部の会社の支援などを複数行っており、カレンダーアカウントがプライベート含めると4〜6個ぐらいありました。

予定確認や登録の際に、いちいちアカウントを切り替えたりするのは手間なのに加えて、ダブルブッキングが高確率で発生するような状況に精神的なストレスは相当なものでした。時間を上手く使えるようにしたいと思ってつくった会社なのに、いつしかスケジュールに追われる矛盾。

これはダメだということで、複数のカレンダーアカウントを一つのアプリケーションでまとめて管理できるようにしたいという、自分たちの鬼気迫る課題意識からTimelabのプロトタイプが生まれます。

正直Timelabがなかったら仕事にならなかったし、今でも自分たちが一番のユーザーであり、もっとも価値を感じているユーザーだと思っています。

ありがとうTimelab。

2年間は"当たり前品質"を埋める戦い

自分たちの課題を解決したい思いからスタートしたTimelabですが、GoogleカレンダーやMicrosoftカレンダーをまとめて管理するというコンセプトなので、Timelabでまとめたけど結局Googleカレンダーでしかできないことがあると、ユーザーはTimelabとGoogleカレンダーを併用することになってしまい、本末転倒です。

ソフトウェアにおける当たり前品質とは、あっても当たり前と受け取られるが、ないと不満に感じる品質要素のことです。Timelabにおける当たり前品質とは、GoogleカレンダーやMicrosoftカレンダーでできることが基準ということになります。

やり始めて気づいたんですが、カレンダーソフトウェアはとんでもなく当たり前品質が高いのです。この時には完全に長期戦を覚悟しました…

最初の2年間はひたすら、GoogleカレンダーとMicrosoftカレンダーとの差分を埋め続ける戦いといっても過言ではありませんでした。

このあたりの話は昨年書いたnoteに詳しく書いてますので、よければぜひ。

資金繰りとの戦い、そして開発の一時中断

当たり前品質を埋める戦いは、毎月すり減っていく残キャッシュを見ながらの資金繰りとの戦いでもあります。スタートアップの起業家なら経験するであろう胃がキリキリと痛くなるやつです。

毎月のように月末の銀行残高を見て、COOの友成とお金をかき集めては会社に入れるといったことを毎月のように繰り返す日々。これは絶対にダメなんですが…子どもの学資保険も解約してお金を入れたこともありました。子どもたちよごめんな。なんとかするからな。

ビットコインの値上がりで奇跡的に資金ショート免れたりとヒヤヒヤする毎日の連続。ありがとうサトシナカモト。

もちろん、VCなどの外部投資家からエクイティ調達して資金を得ることも考えましたが、取り組んでいる領域やフェーズといったことを考慮して、最終的に足元のプロダクトの開発資金は自分たちで事業をつくって稼ごうと創業メンバーで話し合って腹を決めました。

2022年8月一旦プロダクト開発の原資を稼ぐことにフォーカスするために、創業メンバーの僕と友成とエンジニアの川下の3名は外部案件を獲得してとにかくお金を稼ぐことにし、Timelabの開発は一時中断することを決めます。

この決定に伴い、Timelab立ち上げから頑張ってくれていたエンジニアメンバーのHさんと契約を一旦終了することになったのは、本当に忸怩たる思いでした。ごめん。

その後、おかげさまで外部の案件のお手伝いも増え、自分たちでプロダクトの開発を再開できるぐらいの資金的な余裕ができ、12月にはまたTimelabの開発を再開することになります。苦しい時期に仕事をくれた友人たちには心から感謝です。一時契約を終了していたHさんも復活!良かった。

今ではその時に立ち上げたソフトウェア開発支援事業が大きく成長し、そこで得た利益の範囲内で自社プロダクトへの投資を行う健全な状態にすることができました。


Lynxはたべっ子どうぶつビスケットがきっかけ!?

Lynxという名前に決まったきっかけはCDO貫井さんのこの何気ない投稿。

当時、タイムラボでは動物モチーフのプロダクト名にしていこうと検討していたこともあり、Timleabの持つカレンダーとカレンダーをリンクする世界観とLynx(リンクス)の音が一致するので、めっちゃ良いやん!と盛り上がったのでした。

貫井さんの娘が持っていた、たべっ子どうぶつビスケットの中にあったLynx(オオヤマネコ)から生まれたようです。今ではたべっ子どうぶつビスケット食べる時は必ずLynxを探してしまいます。

ギンビスのお菓子って美味しいですよね。焼き枝豆とか無限に食べれます。

ありがとう日記(貫井さんの娘の名前)。ありがとうたべっ子どうぶつ。

そんなこんなで、Timelabを正式リリースするタイミングに合わせて、ブランドもLynxに刷新することが決まったのでした👏


今後のプロダクト展望

さて、開発秘話的なものはまだまだあるんですが、書き出すと終わらないのでここまでにして、プロダクトオーナーとしてLynxの今後の展望について書きたいと思います。

グループ機能をつくります!

現状のLynxは個人のスケジュール分散化の課題を解決することはできるようになったのですが、同じ課題はチームやプロジェクトレベルでも発生しています。

異なる組織ドメインのメンバーが集まるようなプロジェクトにおいては、カレンダーを共有することができずに、プロジェクトのスケジュール調整は毎回Slackなどで候補日を出してのやり取りが行われているのが現状です。面倒ですよね。

上記のような異なる組織メンバーで構成されるプロジェクトのスケジュール共有の課題を解決するために、Lynxで異なる組織のメンバー同士でカレンダーを安全に共有するようなグループ機能を検討しています。

プロジェクトで日程調整が必要なときには、Lynxに招待したグループ内のメンバーのカレンダーを見て、GoogleカレンダーやMicrosoftカレンダーで会議を入れるのと同等のUXで簡単に外部メンバーとの日程調整が完了する世界を実現したいと思っています。日程調整ツールのURLを送って調整する必用すらありません。

実はこのグループ機能は、昨年末のnoteで2024年に取り組むトピックとして書いてることなんですが…結果的に着手できませんでした。申し訳ございません!なので来年は必ず取り組みます!!絶対に。


さいごに

こうしていくつもの困難を乗り越えてLynxの正式リリースを迎えられたのは、Timelabの時代からずっと利用頂いているユーザーのみなさんのおかげです。

ユーザーインタビューやSNSなどでのコメントで本当に何度も奮い立たされました!本当に感謝しかないです。

Lynxに関わってくれたすべての人にも感謝。(スタッフクレジットはこちら

これからも世界中のユーザーのみなさんに価値をお届けするために、引き続き努力していきます!やるぞ!!

!!!最後にお願い!!!

興味を持って頂いた方は、ぜひLynxを一度使ってください!
共感頂いた方は、ぜひ周囲の人へシェアをお願いします!
Lynxのソフトウェア開発に興味ある人は、一緒に開発やりましょう!


おまけ

Lynxリリースする瞬間!今回は合宿に合わせてのリリースで大盛り上がり。
創業初期メンバーの3人でだるまの目入れ。全員黒い服だ…
だるま。Timelab(右)からLynx(左)へとパワーアップ。
だるまと記念写真

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