「学問のすすめ」を読んで ~初編~天は人の上に人を作らず③

前回、何を学ぶべきかを知りました。

福沢先生は、「こういった学問を学ぶとき、難しく専門的な書物を読む必要はあるにはあるが、まずは簡単なものから始めると良い」ともおっしゃっています。

それはなぜか。

曰く「どの科目でも事実をおさえ、確かめ、その結果に立ち、物事の基本的な道筋を知るべきだ。」

つまり、まずはその学問の一端を知り、実践し、成果を実感という行程を繰り返すことで、その本質を学ぶことで更なる応用発展につながるということだと、私は読み解きました。

得た知識を、すぐ実生活に取り入れ、実践していくことこそが「実学」であり、身分貧富の差もなく、すべての人間が身につけるべき学問といえます。

先生は、「この学問が身についてこそ、それぞれの立場で勤めを果たし、家の仕事を営むことができる。それが一身の独立である。」と述べられていて、学ぶことこそが、真の独立・真の自由につながると説かれています。

自由というのは不自由だといわれることがあります。

子供に「自由にしてよいよ」というと、一目散に好きなことに走る子もいれば、何をしてよいかわからず、呆然としてしまう子もいます。

「何が食べたい?」「何がしたい?」と聞いた時、「何でもよいよ」と答えられると、かえってなかなか決まらなくなってしまいます。

これらの場合も、学んでいれば様々な選択肢や工夫が浮かび、迷うことなく好きなことができるでしょう。

相手の好みや、いろいろなお店やスポットを学んでいれば、「何でもよい」にもさほど困ることなく行動できるでしょう。

学ぶことで、自分の限られた人生の時間を、より有意義に使えるのだとしたら、学んでいる時間でさえも、とても楽しく充実したものになるのではないでしょうか。

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