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短歌の昇華 #1【子供時代】

【子供時代】

鼻歌が耳とこころをつんざいてちひさなわたし裂けゆくわたし

水道と食器の音と鼻歌とテレビのお笑いピンとはりつめ

耳ぬちに母の鼻歌ささる夜ふるえるこえに身を固くして

母の歌あるいてこないしあわせはたましひしんしんチータのマーチ

腹ばいで兄とみたかなしんきろうかがよひ逃げる死んだリキ追ひ

をさなき日いくらの権利われにあり父も好物と今さら知れり

オトウシャンまくらどうじょとざぶとんを幸せだなあとにやけた顔で

外食といえば安いラーメンでそれでも安いのえらぶこどもは

歩むたびぼくの毛糸がほつれてく最後にぼくははだかになった

腹すけばうさぎのりんごあらわれてをさなき日々のまほうつかいは

ライト割れ一夜明けたりじこげんば銀水晶とはしゃぐ童女ら

やぶるるなそは天(あま)の網やぶるるなあかいみたまをすくいて殺さん

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