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【医師論文解説】花粉症に革命?「緑茶」に隠された秘密!【OA】
背景:日本人の国民病、花粉症の現状
日本における花粉症患者数は年々増加しており、国民の約4割が花粉症に悩まされています。特に、スギ花粉症は日本人の国民病とも言えるほど一般的なアレルギー疾患です。花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を引き起こし、日常生活や仕事、学業に大きな影響を与えます。
方法:東北メディカルメガバンク計画の大規模コホート研究
本研究では、東北メディカルメガバンク計画の地域住民コホート研究に参加した16,623人を対象に、緑茶、番茶、烏龍茶、紅茶の摂取頻度とスギ花粉特異的IgE抗体価との関連性を調べました。参加者は、自己記入式アンケートで茶の摂取頻度を回答し、血液検査でスギ花粉特異的IgE抗体価を測定しました。スギ花粉特異的IgE抗体価が1.40以上の参加者を「陽性例」、1.39以下の参加者を「陰性例」と定義しました。
結果:緑茶の摂取頻度が高いほど、スギ花粉症のリスクが低い!?
緑茶: 1日1回以上緑茶を摂取する人は、週1回未満の摂取の人に比べて、スギ花粉特異的IgE抗体陽性となるオッズ比が0.81と有意に低いことが示されました(多変量調整モデル2)。
番茶、烏龍茶: 番茶と烏龍茶も、1日1回以上摂取する人でスギ花粉特異的IgE抗体陽性となるオッズ比が低い傾向が見られましたが、多変量調整モデル2では有意な関連性は見られませんでした。
紅茶: 紅茶の摂取頻度とスギ花粉特異的IgE抗体陽性との間には、有意な関連性は見られませんでした。
年齢層別解析: 65歳未満のグループでは、緑茶の摂取頻度が高いほどスギ花粉特異的IgE抗体陽性となるオッズ比が有意に低いことが示されましたが、65歳以上のグループでは有意な関連性は見られませんでした。
緑茶の摂取量別解析: 緑茶の摂取量が多いほど、スギ花粉特異的IgE抗体陽性となるオッズ比が低い傾向が見られました。特に、1日に2-3杯、または10杯以上緑茶を摂取するグループで有意な関連性が見られました。
議論:緑茶に含まれるカテキンが花粉症を抑制する可能性
緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用や抗炎症作用があり、これらの作用が免疫系に働きかけ、アレルギー症状を抑制する可能性が考えられます。カテキンは、茶葉の発酵時間が短いほど多く含まれるため、緑茶、番茶、烏龍茶、紅茶の順に含有量が減少します。このカテキン含有量の違いが、緑茶で有意な関連性が見られた理由の一つと考えられます。
結論:緑茶の習慣的な摂取は、スギ花粉症のリスクを軽減する可能性
本研究の結果から、緑茶の習慣的な摂取は、スギ花粉症のリスクを軽減する可能性が示唆されました。特に、65歳未満の若い世代において、緑茶の摂取はスギ花粉症の予防に効果的である可能性が示唆されました。
※注意: この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスではありません。具体的な治療や生活習慣の改善については、医師に相談してください。
参考文献
Aoki N, Suzuki M, Sato Y, Yokokawa H, Naito T. Relationship between tea intake and cedar pollen allergy: a population-based cross-sectional study. J Nutr Sci. 2025;14:e2. Published 2025 Jan 10. doi:10.1017/jns.2024.96
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