デザインの授業に経営学部の大学生が200人近く殺到する時代
先日、私が准教授を務めているBBT大学(社会人が最終的に院でMBA取得に向けて学ぶ大学)の担当講義【映像制作とデザイン】ライブ講義をしました。
オンライン参加は任意なのですが直接話しをしたいという学生さんが集まってくれてとても楽しい時間を過ごすことができました。
・市角が最近気になっているクリエイティブ系ガジェットやAIサービス
・デザインの仕事に関する質問あれこれにお答え
という内容になってました。楽しかった!!
多くの学生が働きながら一生懸命時間を作って、それでもデザインを学ぶ
経営学部なのにクリエイティブを学びたい学生さんが、毎期100人近くあつまる盛況ぶり。ビジネスにデザインは必須になってること、多くの人が感じ始めてます。
ちなみに一番多いときは受講者187人。これって今までの常識からみたら異常な事態ですよね。
しかも社会人が8割を占めるこの大学では皆さん忙しい時間をぬって一生懸命時間を捻出。自分が本当に役に立つと思う授業しかとりません。
つまり「なんとなく楽しそうだから」では学べるものではないのです。
実際私の講義「映像制作とデザイン」はやらないといけない課題が多く、結構単位を取るのが大変です。
それでも。
なぜ経営学部でデザインなのか?
デザインとはなにか?を知ろうとするビジネスマンが後を絶たない。
ではなぜ経営学部でデザインなんでしょう?起業をやめてみんな絵師にでもなるつもりでしょうか?答えはNO。
今や経営を学ぶということはデザインを学ぶことと同義になりつつあります。それってどういうこと?
ビジネスとデザインの関係
こちらを御覧ください。
有名な話ですがこれらの企業の創業者に共通することはなんでしょうか?
どういうわけかデザイナーから転身してビジネスを創業する人が後を絶ちません。
AIが私達の生活を瞬く間に変えていく不安定な時期には、今までの経験から答えを見つけ出すことは不可能に近く、日々新しい何かを模索しては生み出していく姿勢が求められる。
デザイナーには元々常に新しいものを柔軟に生み出し、顧客のニーズに共感して寄り添う習慣が身についており、それが今日注目されているのだと思います。
ビジネスマンに本当に身につけてほしいのはFigmaやCapCutではなくてデザイン思考
現状学生さんたちは、おそらく何かをクリエイトすることの重要性を感じ取りFigmaをつかってデザインをしたりCapCutでショート動画をつくり自社のプロジェクトを進めていくための色々なマーケティングツールを作ったりしています。
でも本来身につけてほしいのは上記のように答えのない状況で共感力と創造性を発揮してイノベーションを起こす能力。
ということでもう一つの講義、「デザインシンキング」を用意してデザイナーのようにビジネスの課題に取り組んで考えていく手法をお伝えしています。
日本ではまだデザイン=見た目を整えることだけと誤解している人がいる
だいぶ少なくなりましたが、日本ではまだまだ"デザイン=見た目を整えること"だと思っている人がいてデザインを学ぶ=絵が上手になるくらいに思っている人もいます。
それはデザインの中の装飾デザインと呼ばれる分野でそれ自体も非常に価値のあることではありますが、遠からずそこそこの装飾デザインはAIに置き換えられるでしょう。(よりよいものは残るし、デザイナーはAIの力を使って進化もしますが。)
今後さらに必要とされるのはそれとは別の文脈のデザインで、機能や意味、体験のデザインのほうです。そして本来デザイナーはその分野でこそ力を発揮すべき人種なので、今後世の中の変化に期待しています。わくわくするー!
わたくしのデザイナーとしての制作物はこちら。
その他、デザイン思考を活用した事業創造ワークショップやコンサルティングを請け負っております。
#デザイナーの頭の中 書いてます!
デザインについてのお話、他にもありますので興味があったら。