あの日の出来事を一生忘れない。駅のホームで蹲った私を介抱してくれた人
いま思い出してもウルっときてしまうことがあります。
通勤中、とんでもない腹痛と吐き気で途中下車し駅のホームでうずくまっていた私を介抱してくれた女性、そして通りすがりに新品のペットボトルをサっとくれた男性。
当時のことをお話しします。
それは大昔(十何年も前)、私が新卒で入社したブラック企業で早朝出勤していた頃の話。確か山手線。
新人は8時前には出勤をしていないといけないルールがあり、私は当時会社からドアtoドアで1時間のところに住んでいましたので、いつも7時台の電車に乗っていました。
早起きは慣れてきたとはいえ、7時台なのに満員な電車、そしてその日はいつもより少し多めの朝食をしていた関係もあったのか、乗車して急に腹痛と吐き気に襲われたのです。あ、腹痛の方が酷かった。
電車という密閉された空間ということもあり、メンタル的にも猛烈に焦ってきて余計気持ち悪くなる。
もう限界。このまま社内にいたらそれこそ大惨事になる。
そう思って遅刻を覚悟に途中下車をしました。
が、ホームに降りた瞬間、歩けないほどの激痛に襲われ、そのまま壁のようなところに手をついてとりあえず痛みが治まれと自分の体に念じていました。
側からみたら、私はセミみたいな体制してたかも。
そんな時、一人の女性が声をかけてきてくれました。
かろうじて体調が悪い旨を伝えたところ、確か背中をさすってくれたり、言葉をかけてくれました。
自分に何かできることはないかと、少し焦ってて、(焦って下さって?)その優しさに対し私はなんと答えたのか正直記憶がありません。
そんな時、通りすがりの男性がペットボトルをサっと私にくださいました。新品だからとのこと、500mlのペットボトル。その男性はすぐに立ち去ってしまい、私はお顔を見ることができませんでした。
その時は言葉を発するのもギリギリな状態で「ありがとうございます」と伝えてられてたかどうか、これも記憶がないです。
少しして、痛みが少しずつ減り、その女性に大丈夫ですと伝えてお別れしました。
という、たった数分くらいの出来事だったかと思います。
でも今でもそのときのことは、ふとした瞬間に思い出します。
お二方のお顔を見る気力がなくて、下を向いて「ぅぅうう」とヤバイ汗をかいてセミの格好でしゃがんでいた私に声をかけてくれた2人を一生忘れないでしょう。
本当にありがとうございました。
腹痛と吐き気の原因はわかりませんでしたが、あのあとなんとか無事に出社することができたのは、お二方の優しい気持ちが私に何らかの良い影響を与えてくれたのだと思います。
本当に嬉しかったです。
世界のどこかでお二人が幸せに暮らしていますように。
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