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レビュー『ペンギンハイウェイ』

劇場版アニメにもなった『ペンギンハイウェイ』の原作。

第31回日本SF大賞を受賞した作品で、不思議な世界観に引き込まれました。

主人公の「ぼく」は小学校の四年生。

たくさんの本を読み、毎日ノートを取っているからか、彼は大人顔負けの知識量を持っています。

あるとき、郊外の街にペンギンたちが突如出現。

この奇妙な出来事に、歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することに...

興味深いのが、ナゾを解くための「ぼく」のノート術。

彼は主に二種類のノートを使い分けており、一つめが常に持ち歩く用の「手持ちノート」で、二つめには家の机に並べておいている研究テーマごとの「研究ノート」。

新しく知ったことや思いつき、おもしろいと思うこと「手持ちノート」に書き込み、研究対象になった段階で「研究ノート」へと書きうつしていました。

好感を覚えたのは、あくまでも「自分で考えたことや疑問」が出発点にきていることです。

ぼくの場合、本を読んだあとに、重要だと思う箇所をノートに書きうつす程度しかしていなかったのですが、読み終わったあとはノート買い、常に持ち歩きたくなりました。

ノートに書き込む研究を通じ、少年が目にする世界が毎日少しずつ、大きく広がっていく様が楽しめ、知性とユーモアを感じる作品でした。


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