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サウナという合法ドラッグで「ととのう」を初体験。

スペクテイター〈48号〉パソコンとヒッピー』を読んでから、草創期のパソコンとヒッピーのつながりを知り、ヒッピーカルチャーに興味がわきました。

ヴェトナム戦争問題、工業化による公害問題によって西洋近代のあり方に疑問をもった一部のアメリカ人。

彼、彼女らは真の人間性を回復するために、ある者は自然の中で生活し、ある者は国内を放浪し、ある者はドラッグの摂取によって自分の内面を旅するようになり、これらがヒッピー・ムーブメントへと繋がりました。

ヒッピーにはテクノロジー否定派と、テクノロジー肯定派の2つのタイプがおり、前者は自然に回帰することでしか未来はやってこないと考え、後者はテクノロジーの進化が社会を変えると信じる人たちです。

テクノロジー肯定派の人たちにとってパソコンは、幻覚剤のように人の心を拡張するものだと考えられていました。(ちなみにLSDは1966年10月5日まで合法でした。)

Appleの創設者スティーブ・ジョブズも自身をヒッピーだと語っており、若かりし頃LSDを体験。

彼らの経験した「心の拡張」を味わってみたい!と思い、サウナへと行ってきました。

なぜサウナ?

一言でいうと脳を「ととのえる」ためです。

この状態はサウナハイやサウナトランスとも呼ばれています。

もう少し詳しくいうと、サウナ、水風呂、休憩を繰り返すことによって脳内で「β-エンドルフィン(脳内で働く神経伝達物質の一種)」が分泌され、 鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られます。

今までサウナへ抱いていたイメージは、あまりいいものではありませんでした

ただ熱い部屋にこもって何が楽しいのだろう?

これがサウナに対する正直な意見でした。

ジムや温泉へ行けば必ず浴室の隅にサウナがありますが、ジムや温泉などの「メイン」を楽しむついでに、物好きな人たち向けの「サブ」的なものだと思っていました。

偏見があるかもしれませんが、サウナはいつも中年の方々が使っているイメージで、中年の方々が熱気に満たされた小部屋でただ座っているだけという構図は、大学生の頃の自分にとっては異様で、サウナに入ることはなんだか「ダサい」行為だと思っていました。

サウナへのイメージが良くなったのはつい数年前。

会社の同僚から『サ道』というマンガを勧められてからです。

著者のタナカカツキ氏の体験談を元に、サウナ・水風呂・休憩を繰り返すと訪れる「ととのった感」がサウナの本質であるということを学びました。

いざスーパー銭湯へ

実はいままで何回か「ととのう」体験をしようとサウナに挑戦したのですが、すべて失敗に終わりました。

手先が痺れる感じまでいたったことはありますが、「ととのった!」という確信に至るまでの体験はありません。

今度こそは、と近くのスーパー銭湯へ足を運びました。

「ととのう」体験をするには、基本的に以下の3つのステップがあります。

①サウナを6~12分程度
辛くなったら我慢せず、時間に関係になく出ることが大切です。

②水風呂に30秒〜2分程度つかる
ここでも無理は禁物で、辛くなったら時間に関係なく出ましょう。

③気持ちいい感覚が続く限り休憩
身体を冷やさない程度を目安に、椅子に腰掛けましょう。

このステップを3週程度繰り返すと「ととのう」感が得られるようです。

ぼくの行ったスーパー銭湯は源泉かけ流し温泉だったので、体を洗い温泉を楽しんだあとにサウナの出番。

上記の①から始めていきます。

1周目

よもぎサウナとドライサウナの2種類があり、ドライサウナは人で埋まっていたためよもぎサウナへ入りました。

10分後、限界を感じたので退出。

今度は水風呂へ。

まずは水風呂の隣にそなえつけられた掛け湯でサウナでかいた汗を洗い流すのですが、これがすでに超絶冷たい。

まずは足先に水をかけて、あまりの冷たさにたじろぎつつも、汗を流さなければという義務感から全身に1回パシャっと水をかけました。

うぅ冷たい。

そして水風呂へ。

恐る恐る一歩ずつ足を進めていきます。

他の人が肩まで浸かっていたので、自分も肩まで浸かります。

我慢が続く限り、目安のMaxとなる2分間ほど入っていました。

ちかくに時計はなく、自分で120秒ほどを数えたので、正確な時間とはズレがあると思います。

出た時には体が寒くて少し震えており、外のベンチへ腰掛けました。

ベンチで4分程度過ごし、体が冷えてきたので寝湯で横たわって体を少し温めます。

寝湯で5分ぐらい過ごしましたが、特に何も変化はありませんでした。

続いて2週目へ。

2週目

2週目は、ドライサウナに空きがあったのでドライサウナに入りました。

仕方がないですが、出入りする人たちのドアの開閉により入ってきた冷気が気になります。

その冷気のせいか、なかなか体が温まらず12分間ほど中にいました。

そして水風呂へ。

やはり掛け湯のときから冷たく、慣れてはいませんでした。

そして入浴し、目の前のご年配の方が頭まで浸かっていたので、今回は自分もドバッと頭までつかりました。

(あとで知ったのですが、頭まで浸かる行為は場所によってはマナー違反になります。ぼくの行った場所では禁止の張り紙はなかったので、おそらく大丈夫でした。)

また例のごとく120秒まで数えようと、カウントが90秒に至ったそのときです。

ジワーンと手先がしびれてきて、なんともいえない感覚が広がってきました。

そして、脳みそが上に引っ張られているような、脳自体が上に向かおうとしているような感覚が訪れます。

眠りにつきそうでつかず、意識が遠のいていく感覚に近く、とても気持ちがよくなってきました。

おそらくこれが「ととのった」感じなのだろうと思い、120秒を超えてその感じを味わいました。

おそらく2分ぐらいだったと思います。

少し高揚感も落ち着いてきたので外の寝湯にいくことに。

その寝湯では月を見上げることができ風流さを感じます。

この時には水風呂で得られた「脳が引っ張られる感じ」と「高揚感」はなくなっていましたが、見上げた月が上下運動を繰り返しているように見えました。

というよりも、月が素早く上に移動したら突然消え、すぐに下に現れるが超速で行われる感じでした。

3分ぐらいすると、いつもどおり月が止まって見えるようになりました。

3週目

だいぶ落ちついてからもう1周こなしましたが、体が慣れてしまったのか2週目の水風呂で起きたトランス状態がやってくることはありませんでした。

結局、初「ととのう」体験は水風呂ですませてしまったので、次回からは水風呂の時間を1分程度にし、すぐに休憩に移ろうと思います。

一緒にいった妻も「ととのった」体験をしたようで、夫婦で毎月、近くのスーパー銭湯にいくことになりました。

サウナのポイント

最後にサウナのポイントを挙げます。

・必ず水分をしっかりと取っておくこと
・食後すぐの利用は避け、空腹状態の時も避ける
・サウナ前に体についた水滴を拭くといておくと、汗が出やすくなる
・サウナ室は上段のほうが熱いので、熱いほうが好きであれば上段に座るべし
・サウナ室内では髪を熱から守るためにタオルを頭にかけておくこと


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