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レビュー『猟師の肉は腐らない』
発酵学第一人者の小泉氏の本。
電気自給自足の暮らしをおくる猟師の「義っしゃん」のもとに、小泉氏が訪れるというノンフィクションエッセイ。
数日間と短い滞在期間ですが、発見と冒険に満ちた、濃密な共同生活が描かれています。
山や猟師の生活に興味がある人や、都会の生活に疲れた人にオススメ。
舞台は福島県の山奥、八溝山地。
なんといっても登場人物の「義っしゃん」に驚かされる。
彼は山を愛し、先人から培った知恵と、現代の知識を存分に活かしながら生きる猟師。
人柄がすばらしく、自分に正直に向き合うということを貫いており、自分にとって大切なものは何なのかを考える機会を与えてくれます。
著者の小泉武夫氏は、東京農業大学名誉教授というアカデミックの顔を持ちつつ、世界の辺境を旅し、珍味、奇食に挑戦する「食の冒険家」という一面も。
彼の文章からは、食文化の専門家としての視点と、猟師の背景にある自然と伝統文化に向けられる敬意の眼差しを感じます。
燻した猪や兎の肉や、焼いた岩魚や山女をほおばる姿がなんとも美味しそうで、その豊かな食生活にうらやまさを覚えました。
古き良き知恵がつまっており、猟師が自然と共に生きる姿に感動。
犬好きとしては、「義っしゃん」が従える賢い猟犬の活躍も楽しめました。
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