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レビュー『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』

会社員であることはもはやリスクである。

そんなことを言語化し、どうすればいいのかまでを描いているのが『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』という本です。

本書は起業をつうじた人生の指南書であり、その思考法、ノウハウを全公開してくれています。

個人的には、会社をやめた理由である「会社員のリスク」、「会社員でなくなることによって得られるメリット」をうまく言語化してくれており、読んでいてスッキリとしました。

前半は著者の過酷な生い立ちから、わずか26歳で執行役員として会社を上場させるまでのサクセスストーリーが描かれています。

具体的には、14歳のとき、父親が自己破産のうえ失踪し、貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。

苦境のなかで独学で大学に合格し、奨学金を得ることができた著者は「起業」を志し、「ユーグレナ」や「ラクスル」の社長と出会うなかで学生起業家の道を歩むよう。

興味深かったのが、著者が中学生のときに天才の兄からわたされた読書リストの内容。

本人のツイッターにも掲載されていました。

思想書や哲学書がふくまれており、骨太さを感じます。

それと、兄に「まあ、お前はビジネスがいいんじゃないか?」と言われ、大学に入る前に渡された本が大前研一さんの『企業参謀』と『コーポレート・ファイナンス』。

最初の起業チャレンジは失敗してしまいましたが、創業したばかりのベンチャー企業に4人目のメンバーとして参画し、3年で株式上場。

全国規模にまで大きく成長させるという物語が描かれています。

後半は個人が副業から起業家としてスタートアップするための具体的な方法について。

起業とひとことで言っても、本書では以下の5つの起業戦略が紹介されており、自分に合った働き方を選ぶことができます。

・副業
・独立
・社内起業
・転職
・スタートアップ起業

転職は起業ではないのでは?と思うかもしれませんが、就職先をスタートアップすることで、起業経験を積むことができるとのこと。

どの選択にしろ、コンフォートゾーンを外れ、自分の人生を主観的、能動的に生きていくことがいかに大切であるかを本書は教えてくれています。

学歴や職歴は関係なく、行動だけがすべてを制することができ、失敗を恐れず、ひとつの場所に固執しないことが必要だと思いました。


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