レビュー『ポートランド・メイカーズ クリエイティブコミュニティのつくり方』
メイカームーブメント、都市開発やスポーツ、オーガニック、クラフトビール、コーヒーといった文化で話題の街、ポートランド。
NIKEの本社もそこにあります。
そんなポートランドで活躍する6人へのインタビューを収録したのが本書。
本書は、ポートランドに興味がある人はもちろん、ポートランドに訪れたことがある人や、アメリカンライフに触れたい人におすすめ。
ポートランドらしさを体現している6名が紹介されていますが、印象的だったのが「挫折から学び続ける」という価値観。
まずは失敗を恐れずやってみて、うまくいけば伸ばし、失敗すれば新たな道を探るという、チャレンジ精神がたくましいと思いました。
個人的に胸に響いたのが、UNIQLOのクリエイティブ・ディレクターを務めたジョン・ジェイ氏の言葉。
それは、「クリエイティブな仕事ができる場に行け!」というもの。
成長できる環境は、自分で選び取らなければいけません。
そして、鋭さや感受性を失わないためにも、クリエイターは自分自身を、長い間快適な状態にしておくべきではない、とも言っていました。
また、本の節々で感じるオープンでリラックスした雰囲気を楽しめました。
それは、カジュアルでフラットな組織や文化がしっかりと根付いているからだろうと思いました。
そして、6名がそれぞれが自身のライフスタイルを大事にし、趣味を充実させていることや、どのようにポートランドへ行きついたのかというストーリーから、生きていく元気がもらえます。
ポートランドが持つ、インディペンデント、イノベーティブ、サステイナブル、オープンといったカルチャーで、街をクリエイティブにする方法論がよくまとめられています。
いろいろなものが混ざりあう中で、活気のあるコミュニティーがうまれるということが分かります。
質の高い人生とは何か、を考え直すのにうってつけでした。