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【感動】肌の色より大事な関係。映画『グリーンブック』

『グリーンブック』(Green Book)は、2018年のアメリカ合衆国の伝記ヒューマン映画で、第91回アカデミー賞の作品賞を受賞した。

作品賞だけではなく、脚本賞および助演男優賞(アリ)を受賞し、また主演男優賞(モーテンセン)、編集賞にノミネートされ、アカデミー賞以外にも多数の賞を受賞した作品だ。

舞台は1962年のアメリカ。

登場人物はジャマイカ系アメリカ人のクラシック及びジャズピアニストである「ドクター」ことシャーリーと、シャーリーの運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人の「リップ」ことトニー・ヴァレロンガの二人。

この二人は実在の人物で、本作品も1962年に二人が実際に行った「アメリカ最南部を回るコンサートツアー」にインスパイアされたロードトリップ作品だ。

本作は、シャーリーとヴァレロンガに対するインタビューと、劇中にも登場したヴァレロンガの妻宛ての手紙に基づき、監督のファレルや、ヴァレロンガの息子であるニック・ヴァレロンガによって製作された。

タイトルの「Green Book」とは何かというと、ヴィクター・H・グリーンによって書かれ、当時売られていた「アフリカ系アメリカ人旅行者のための20世紀半ばのガイドブック」の名前。

現代では想像も難しいが、レストランやホテル、給油場所でさえも「白人専用」「黒人専用」とはっきりと分かれた時代を描いている。

黒人が夜間に出歩くことさえ禁止している州もあった。

黒人への扱いは衝撃的だが「アフリカ系アメリカ人公民権運動」や「Black Lives Matter」の源流を知るには見ておいて損はない。

(本作は「映画内での歴史的な描写の不正確さ」と、典型的な「白人の救世主」の描写について批判を受けているという事実も知る必要がある。)

そして本作の魅力はなんと言っても、ドクターとリップという全く正反対の人物の友情だ。

ドクターはジャマイカ系アメリカ人(黒人)で、ピアノ演奏の天才として認知されており一種のセレブリティーだ。

着こなしや言葉遣いも洗練されており同性愛者でもある。

対してリップは、イタリア系アメリカ人(白人)で、ストリート育ちの彼は仕事にも腕っぷしが強く、機転も利く。

イタリア語なまりの英語を話し、最初は黒人に対して差別意識を持っていた。

二人が友情を深めていく展開と、演じる俳優の優れた演技に胸が熱くなる。

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