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レビュー『サマる技術』
読書好きな人に恥をかかせたければ、次の質問が効果的。
「先月読んだ本の内容を覚えていますか?」
ぼくは物忘れがはげしく、「読んだ内容を覚えていない」ということが多々あり、悲しい気持ちになります。
対策として考えられるのは、「学んだことを整理して、いつでも見返せるようにしておく」こと。
それらを「実際にどうやろうか?」と悩んでいたときに出会ったのが本書です。
本書に書かれてあることを素直に実行すれば、読んだ本の内容、頭に入れたはずの知識を、実際に活かすことができるようになります。
「知識の活用」にフォーカスしているので、若手のビジネスマンはもちろん、ビジネス本や、学術書好きの人におすすめ。
タイトルにもなっている「サマる」とはズバリ「要約」のこと。
本書が提示した、もっとも重要なコンセプトは「複数冊の要約を1つにまとめる」ということです。
それは、1冊目に読んだ本を、2冊目に読む本の下地として使い、複数の本の要点を体系的にまとめていきます。
例をあげると、まずは箇条書きで、1冊目の本の要約を作成。
具体的にいうと、小見出しごとに要約をつくり、もしも小見出しがなければ10ページごとに要約していきます。
2冊目以降は、1冊目のときにつくった要約に「書かれていないもの」を追記し、要約と違う内容があれば、その都度検討。
こうした「知識の整理」と「自分ゴト化」を通じて、まなんだ内容を短期記憶から長期記憶へうつすことが可能となります。
著者は『宇宙一わかりやすい高校化学』といった、学生向けの参考書を多数執筆。
そのせいか、本書もひとつひとつのメッセージ丁寧に整理されており、読みやすかったです。
自分が今までなんとなくメモをしていたことを、体系化してくれていました。
本書の内容を実践すれば、「先月読んだ本の内容を覚えていますか?」という質問にもすらすら答えられそうです。
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