小さな子の遊びレシピ② お家編【ハンカチ王国】
用意するもの
*ハンカチなるべくたくさん。
お弁当箱包むサイズのものとか、実家で眠っている風呂敷とか、スカーフとか、要は大判の布ならなんでもよい。
実家という場所は、使わないモノの玉手箱だ。
長女が2歳の頃、余っているハンカチや流行遅れのスカーフなど、大量の布ものをもらってしまい、しまう場所もないからそのへんのカゴに入れておもちゃコーナーに置いておいた。
→結果、次女の時代まで続く幼少期一番使い倒したグッズになった。
●部屋に敷き詰める
どうして、部屋一面にハンカチを敷くことになったのかは覚えていない。
でもとにかく、乳幼児の目線だと、ハンカチを部屋に敷き詰めるだけで世界が変わるらしかった。
自分で敷いて世界を作っていく、という過程にも興奮した。
花柄の部分はお花畑。緑は牧場。
お香典返しの地味なグレーのは砂浜。
でこぼこしているのでめくって見ると、娘が隠した丸めたティッシュが入っていたりした(貝のつもり)。
水色のフェイスタオルを細長く敷いたところは川に。
飛び越えて遊ぶ。
ぬいぐるみは川で泳いだり、牧場で草食べたり。
ただ親子で寝っ転がってその世界にひたるもよし。
真っ黄色のバスタオルは、バターが湧いている場所になり、娘はそこで空想バターを食べまくった。
色とりどりの布が便利に世界を作ってくれる。
お片付けのときは一緒にハンカチをたたんでカゴに仕舞う。
たたむことを覚えてくれる。
というわけで、とても良い遊びだった。私も楽しかった!
注意
① ハンカチを敷き詰めるのは、できればカーペットの上がよい。
ずれずに快適に遊べる。
②子どもが永遠に一緒に遊びたがっても、大人の時間には限りがあることをちゃんと知らせる。
こちらはほどよい時間でハンカチ王国から撤退する。
●洗濯干しごっこ
棒にハンカチをかけて、洗濯バサミでとめる。
それができるだけで2歳児は偉業を成し遂げたと思うようだった。
次女が2歳になる頃、「ハンカチ干し」がブームになった。
背丈に合わせた位置に棒とかヒモなんかを設置してあげて、「お洗濯干してくれる?」と頼むと、それはもう一生懸命やった。
うーん、可愛かったあの頃(遠い目)。
洗濯バサミというのは、その力の入れ具合がけっこう難しい。
しっかりとめられたときは喜びいっぱいで飛び跳ねていた。
子どもって何かをしてもらうより、何かができた時の喜びが数倍勝つってことを知った。
何だっていいのだ。
小さな段差からジャンプできたり、好きなものの名前を覚えたり、誰かに何かを「どうぞ」とあげたり。
次女はこのブーム中、洗濯バサミをこよなく愛し、しばらくおしゃれアイテムとしても活用する時代が続いたのだった。
注意
幼少期にこの遊びが好きになったとしても、家事好きな子に育つわけではないので(我が娘で証明済)、そのへんの期待をしない方がよい。
●変身ごっこ
長女は、年少さんの時に幼稚園のクリスマス劇で知った「マリア様」に夢中になった。
夫は何度大工ヨセフになるように命じられたか分からない。
数か月マリア様になりきって、頭にハンカチを装着して登園する強者にもなった(からかわれてもブレなかったので、飽きるまでやらせておいた)。
姉を見て、当然自分もハンカチを身につけたい当時1歳だった次女。
姉におしゃれに仕上げてもらうのが基本の毎日だった。
部屋に敷き詰めブームが去ったあとは、ハンカチはコスプレグッズとして大活躍だった。
聖母にもお姫様にも、花嫁にも赤ずきんにも変身できる。
当時流行っていたスリングにして人形を入れれば、ママにもなれた。
男の子はたいてい腰に巻いたりマントにしたりして、何かヒーロー的なものになって走り回っていた。
3歳の終わりころ、もうハンカチ巻き付けるんじゃなくて本物が欲しい、と長女は思ったのかもしれない。
4歳の誕生日プレゼントに「お姫様のドレス」をお願いされた。
友だちとも遊べるように、ピンクと白、フリフリレースのを2着作ってあげた。
それまでの長きにわたって、「たくさんのハンカチ」には本当にお世話になった。実家玉手箱は侮れない。
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