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【感想】ファラデー『ロウソクの科学』を読んで

【概要】
 1本のロウソクをとりあげて、私たちの身の回りの現象を科学的に解き明かしていくファラデーの講演録。彼の軽妙な語り口は、1861年のイギリスから場所を越え時代を越えて現代日本を生きる私たちにも、科学の楽しさを伝えている。

【感想】
 名前に聞き覚えがあるなと思い選び、読んだ本だ。ロウソクが燃えるというきわめてありきたりな現象、そこにどれほど複雑なシステムが詰まっているのかがわかる。今でいう、でんじろう先生みたいな感じで実験の面白さを通じて科学の奥深さを教えてくれる。
 本であるために、講演で実演した実験は文字や図で追うことしかできないのは残念だがしかたがない。ロウソクの橙、ロウの白色、さまざまな(今となっては見られない)実験器具…。本だけでは物足りなくなって、実際に実験の様子を見たい知りたいと好奇心をかき立て、ネットなどでさらに学びを広げることができるのではないか。
 今読んでも十分楽しめるけれど、俺自身はもっと前に、とくに高校のときに出会っていればよかったなと思う。ファラデーの語りぐあいが実に見事で、聴き手を読み手を、学びの世界へ連れていくさまに感銘を受けたのだ。化学部に入っていた当時を思い返す。おもに小中学生にむけて実験のショーを行うのだが、実験の見た目のド派手さで乗り切ってた覚えがある。当時にいかせていれば...

【紹介した本】
ファラデー『ロウソクの科学』(角川文庫)

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