ヘイトスピーチって裁けるの?④
みなさん、こんにちは、法律解説屋です。
今回もヘイトスピーチって裁けるの?シリーズ第4弾。
やっていきましょう。
前回では、日本の憲法でも大体のことは外国人にも保障されるよ!みたいな事をやりました。今回は自治体の取り組みとヘイトスピーチの定義についてやっていきます。
自治体と聞くと、国の言いなりなんでしょ?とか、よく聞きますが、実は自分らで色々考えて、許される範囲内で工夫を凝らしてるところもあるんです。その1例としてなかなか面白いのが、
「神奈川県 川崎市」
ここは、国がやっていないことにも果敢に挑戦している自治体のひとつです。川崎市は自治体のこれからこうやってこうみたいなことを決めている基本計画の中で、「差別を無くしていこうぜ!」という方針を掲げています。
え?そんなの当たり前?いえいえ、凄いのはここからです。基本計画のひとつにこんなものがあります。
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた
取組の推進 に関する法律に基づく
「公の施設」利用許可に関するガイドライン」
平成29年度 川崎市「 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進 に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン」
(http://www.city.kawasaki.jp/250/cmsfiles/contents/0000088/88788/gaidorainn.pdf)
長い。
噛み砕きますと、
「外国人への差別無くすために
公共施設の使い方を新しくしたルール」
です。つまり、川崎市はヘイトスピーチに関する集会をする際には公の施設(公共施設)で、制限するとしたルールを作ったんです。集会というのは、デモなどの集まりのことを言います。これを差別に関するという一部分ではありますが、国でもない自治体が手を出したんです。このガイドラインは、なかなか物議を醸しそうな領域でして…。
なぜなら制限の対象は、
「集会・結社の自由」
その奥に控えていらっしゃいますのが、
「表現の自由」
です。
第21条
①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。の一代に限り、その効力を有する。
(電子政府総合窓口 e-Gov 法令データベース 憲法から)
こやつは今まで国も規制出来ずにいました。
良いか悪いかは置いておいて、日本国内でもこの規制を始めたのは、川崎市が初のケースです。
さらに、平成30年12月には、川崎市の議会が、公共の場でヘイトスピーチを繰り返した者に50万円以下の罰金を科す全国初の刑事罰規定を盛り込んだ条例を取り決めました。
さて!計画も練ったし、法律も作ったし、自治体での取り組みもしたし、これで、差別もなくなって万事解決!
とは、いかないみたいです。そりゃあ日本でも初の試みとなれば、批判があって当然というものです。ヘイトスピーチに関する一連の課題は一筋縄ではないって訳ですね。
次回以降では、私の独断と偏見ではありますが、お偉いさんの言ってることを見比べながら、ヘイトスピーチを取り締まれるのか、さらに取り締まるにはどこに気をつければいいのか書いていきたいと思います!
ぜひお楽しみに!!