養生訓 巻第八 灸 鳳凰堂流解釈③


原文を現代文に改変

昔より近江の膽吹山、下野の標茅(しめぢ)が原を𦫿葉の名産とし、今も多く切りてうる。

古歌にも此兩處のもぐさをよめり。名所の産なりとも、取時過て、のび過ぎたるは用いがたし。他所の産も地よくして葉うるわしくば用ゆべし。

鳳凰堂流意訳

昔から近江の伊吹山、下野の標茅が原を𦫿葉の名産とし、今も多く売られている。

古歌にもこの二つの産地のもぐさについて詠んでいるものがある。

名所の産と言っても、採取時期を過ぎて、伸び過ぎたものは用いにくい。

他所の産であっても場所がよくて葉が綺麗であれば用いると良い。

鳳凰堂流解釈

一級品でなくても、工夫次第で灸の効果はあるので要は使いよう。

名前に釣られるよりは、自身が養生として適宜使い、習慣化する事が大切なのは、灸に限らず、呼吸法や瞑想、体操等も同じであり。

普段の所作や言葉使い等にも言える事です。

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