養生訓 巻第四 飲茶附煙草 鳳凰堂流解釈⑤
原文を現代文に改変
茶を煎ずる法、弱き火にて炒り、強き火にて煎ず。煎ずるに堅き炭の良く燃ゆるを、盛んに焚きて煎ず。滾(たぎ)りあがる時冷水を挿す。この如くすれば茶の味良し。
強き火にて炒るべからず。ぬるくやわらかなる火にて煎ずべからず。
右は皆もろこしの書に出たり。
湯沸く時、薏苡の生葉を加えて煎ずれば、香味尤も良し。性良し。
本草に、暑月煎じ飲めば、胃を温め気血を益す。
大和國中は、凡て奈良茶を毎日食す。飯に煎茶を注ぎたるなり。赤豆(あずき)、(ささげ)、蠶豆(そらまめ)、緑豆(ぶんどう)、陳皮、栗子、零餘子(むかご)など加え、點じ用ゆ。食を進め、胸を開く。
鳳凰堂流意訳
茶を煎じる方法
弱火で炒り、強火で煎じる。
煎じる際には堅い炭で良く燃えるものを盛んに焚いて煎じる。
滾った時冷水を挿す。このようにすれば茶の味は良い。
強火で炒ってはいけない。ぬるくやわらか火で煎じる。
右は全て中国の書に書かれている。
湯が沸く時、薏苡(ハトムギ)の生葉を加えて煎じるのが香味が良くなる。性は良い。
本草書には、夏に煎じて飲めば、胃を温め気血を増やすと書かれている。
日本では、凡て奈良茶で毎日食していた。
飯に煎茶を注いでいた。赤豆(あずき)、(ささげ)、蠶豆(そらまめ)、緑豆(ぶんどう)、陳皮、栗子、零餘子(むかご)などを加え、点じて用いる。これらは食を進め、胸を開く。
鳳凰堂流解釈
お茶の煎じ方とお茶漬けについての項目。
お茶は冷性なので、温める事で夏場の暑気を払いながらも身体に冷えが残らない工夫です。
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