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最初の壁|社内からのユーチューブ不要論

レイサイと申します。

前職では、動画制作経験ゼロ、広報部の無い「ゼロ広報」の会社で、法人YouTubeチャンネルを開設し、台本作成、撮影、編集を1人で担当しておりました。
社内からでさえ「どうせ誰も観ない」と言われるぐらい超ニッチな業種で、チャンネル登録者が100人に達するのに7ヶ月もかかりました。
最終的に3年半でチャンネル登録者6000人、毎日2000回以上視聴されるチャンネルになり、もちろん、YouTubeチャンネルの収益化に成功しました。

このnoteでは、そこでワタシが体験した「遠回りの失敗談」や「思いがけない感動体験」、どこで活路を見出したかなどを記録しておこうと思います。

そもそも、社長の「鶴の一声」で始めることになった法人YouTube。
まず最初にしたことは、社内向けの提案書の作成でした。

どんなYouTubeを作るのか?
なんのためにYouTubeを作るのか?

社長がYouTube始めよう、って言ったのに会社への提案書が必要なの?
と思われる方もいるかもしれませんが、必要なんです。

社長の思いつきを、会社の業務に「変換」するための口実が。


なにしろ、広報部の無い中小零細企業。

社内には、宣伝するという概念すらほとんど無かったのです。
動画で宣伝するなんて、どうすればいいのかも分からなかったのです。
ですから「YouTubeを始める」という社内コンセンサスを取るのはそんな簡単な話ではありませんでした。

零細企業にとって、YouTube制作は、誰の仕事か定まりがない業務です。

社内には「余計なこと始めんなや」と思っている空気もありました。

ヘタすりゃ、YouTubeなんて、「遊び」だと思っていた方もいるでしょう。

営業課長からは
「ウチみたいな業種でYouTube動画作っても、どうせ誰も観ないですよ」
と言われました。

そもそもあまりYouTubeになじみの無い方は、YouTubeがSNSである、という考えもあまり無いでしょう。
会社のSNSと言えば、Facebook、X(旧Twitter)、TikTokなど他にもあります。以前は「社内ブログ」とか「社長ブログ」などを書かれて、自社ホームページにリンクを張っている事業者さんもいました。
今でこそ、XでもInstagramでも動画投稿は珍しくありませんが、それでもまだまだ法人YouTubeチャンネルを始めようと思っても、「動画作りはハードルが高い」と思っていらっしゃる方は多いと思います。

一般的には中小零細企業の場合、SNSは宣伝、あるいはその一歩手前の「認知向上」を目的に始められる会社さんが多いようです。
もちろんBtoB、BtoCで、自社の商品やサービスをダイレクトセールスすることに成功されている会社さんもいるでしょうが、ワタシがいた会社は、当時社内で唯一実施していたInstagramの最後の更新が「半年前の忘年会の写真」というような会社でした。(とりあえず始めてみて更新できずに放置の典型です)

さて、法人YouTubeのチャンネル開設にあたり、最初の社内提案書を作成したのはワタシではなく、営業部長でした。「これからは動画の時代である」という書き出しから始まる熱のこもった提案書でした。
しかし、この提案書は社内の許可が下りませんでした。

この営業部長、個人ではまったくYouTubeを見ないという50代の真面目な方で、「YouTubeってこういうもんでしょ」的な発想で「過激な企画案」を書き連ねて会社に提案しました。
そして当然、ことごとく「できるわけんーだろ」と会社側に一括されて早々に撃沈。

YouTubeをよく知らない営業部長のイメージは、過激でムチャなことをするというイメージだったようです。
当然、そんなスタイルが企業イメージを左右する法人YouTubeに当てはまるわけありません。

◆ YouTubeは世界第2位の検索エンジン!?

結局、ワタシが提案書をイチから作り直すことに。
ワタシは、まずYouTubeがGoogleの子会社である事実を伝え、そのうえで
YouTubeが世界第2位の検索エンジンとも言われていることを訴えました。

何かを調べようと思ったとき使う検索エンジン。
圧倒的1位、ググるでおなじみのGoogleです。

でも、何かを調べようと思ったとき、誰もGoogleを使っているわけではないのです。Yahooを使うひともいる。それなら分かります。
そういう話ではなく、そもそも一般的な検索エンジンからイメージされる
GoogleやYahooを使わないのです。
例えば、近くの美容院を探すのに、Instagramを使ったり、購入しようとしている商品を、Amazonのレビューを観るのではなく、YouTube動画でリサーチしたり。そういうググらない利用者層が増えているのです。

つまり、YouTubeは動画のプラットフォームのトップだけではなく、検索エンジンなのです。
しかも1位のGoogleとは深い繋がりがあることは言うまでもありません。
Google検索すると「動画」という選択肢が出ますが、それはほとんど全てYouTube動画です。
そのプラットフォームで検索したとき、検索結果に出てこないということは、検知されないということで、存在しないも同じです。

30年前、ワタシが社会に出たばかりの頃は、いまとはだいぶ違う常識がありました。
・携帯電話は持っていないひとのほうが多かった。
・零細企業はホームページが無いことが普通だった。

つまり、時代は変わるということです。
以下が、ワタシが会社への法人YouTube開設にあたり、提案書に盛り込んだ
YouTube必要論の内容です。

30年前には、自社ホームページなんて、中小企業には無いのが普通でした。
しかし、令和の時代、ホームページが無いことは、何か意図があって作らないのか、とさえ思われます。

見込み客や取引先が、ウチの会社を探そうと思ったとき、いまはググって、ホームページを探してくれるでしょうが、いぜれググるよりYouTube検索する時代が来る可能性があります。
少なくとも、YouTubeに動画が上がっている会社かチェックするぐらいのことはするでしょう。そのとき、当社の名前で動画が1本も検索して出てこないということになれば、ウチの会社はそのプラットフォームでは存在していないのと同じです。
それはInstagramでも、Twitterでも同じです。

さらに、より若い層に訴求したい求人面でも、同じようなことが言えます。
若い人は、その会社の求人に応募しようと思った時、ホームページだけでなくSNSをチェックするはずです。
更新されていないSNSは、マイナスイメージになりかねません。

◆ YouTube検索が次のスタンダードになるという匂わせ

というわけで、年配の経営陣には、ホームページやETCの話を例に上げて、いずれYouTubeチャンネルを持っていることが会社としてスタンダードになる可能性がある、というような訴求が効果的だと思います。乗り遅れてはならない、と思ってもらえればラッキーです。

何と言っても、月間アクティブユーザーが7000万人と言われるYouTubeが、零細企業がオウンドメディアを持つことを可能にしたソーシャルメディアであることは紛れもない事実ですから。





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