想いを伝える終助詞「ねん/てん」
さて、いよいよ登場…!頻出表現の「ねん/てん」
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「好きやねん」
が有名すぎて誰もが知る"関西弁"となった「~ねん」ですが、
…では上の文の過去形は、言えますか?
分からなんだという方、この期に覚えてください。それではみなさんご一緒に。repeat after me!
ウチ、中学のころシンゾウ君のこと…
「めっちゃ好きやってん!」
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それでは具体的な使い方を見ていきましょう。
「ねん」は終止形接続、「てん」は連用形接続です。
んー、例で見た方が解りやすい??それでは↓
例1)
ある→あるねん ○●○○
来る→来るねん ○●○○
知ってる→知ってるねん ○○○●○○
安い→安いねん ●○○○○
上品や→上品やねん ○○●○○○○
何や?→何やねん? ○●○○○
「ねん」を後ろに付けるだけ!やから簡単やねん(笑)
例2)
あった→あってん ○○●○
来た→来てん ●○○
知ってた→知っててん ○○●○○
安かった→安かってん ●●○○○○
上品やった→上品やってん ○○●○○○○○
何やった?→何やってん? ○●○○○○
「てん」は「た」の【代わりにつけます】。注意!
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さてこの「ねん/てん」ですが、「好きやねん」のように、自分の想いを伝えるときに最もポピュラーな表現です。私見を表明したり、物事を主観的に描写したりするときに使います。
他方、後述の「~なんや」は客観的に語り聞かせる意図を含みます。「ねん」は自分視点、「んや」は相手/第三者視点(時に無視点)、と言うてもいいでしょう。
以下の対比例を参考に。使い方を掴んでください。
①
「お父さん、ウチも頑張ってるねん。頼むから許して!」
「花子、お父さんもお母さんも、それは解ってるんや。せやけど世間はそない甘うないねんで。」
「頑張ってるねん」は花子の主張、「甘うないねんで」はお父さんの考えをそれぞれ伝えています。一方、「解ってるんや」は、花子に対し悟らせようと俯瞰した目で両親の現状を伝えています。もしこれが「解ってるねん」やと、自分視点というか「オレには解ってますけど?」と少し偉そうに聞こえて親子喧嘩必至(笑)
②
「あそこは昔、駄菓子屋やってん。ワシもよう行ったで、10円玉握りしめてな。憩い場やってん。」
「あそこは、かつて駄菓子屋やったんや。子ども達がよう来とってな。みんなの憩い場やったんや。」
「駄菓子屋やってん」「憩い場やってん」は自分の想いを語っています(他人がどう認識してるかは、わりとどうでもいい)。
一方、「駄菓子屋やったんや」「憩い場やったんや」は、客観的に見てかつてそうだったと、無視点で事実を物語風に述べています。
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