想いを伝える「伝えるんや!」
前述の「ねん、てん」は自分語りの語尾だったのに対して、「~んや」は、客観的な語りの語尾になります。
詳しく見ていきましょう。
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①叙述
これは、前回にさらっと例文を上げました。こちらもご参照ください。
「私、これでも若いころはけっこうモテたんやで」
②相づち
相手の語りに相づちを打つときにも使えます。これは相手の語りが、相手視点の場合でも客観的視点の場合でも、とにかく「自分視点」でなければ違和感なく使えます。
相手視点「私、シンゾウ君のこと好きやってん」
──「えっ…!?そ、そうやったんや…お…オレも…」
客観的視点「これでも若いころはけっこうモテたんやで」
──「そうやったん!?いまはオバハンやのにw」
「オレ…東大いけてん!」「受かったんや!ほなら、春から東大生になるんやね!」
「給付金まだ振り込まれてへんねん」「まだなんや」
↑上記、いずれも「ねん/てん」と「んや」の違いを意識してみてください
③強い決意
自分に関わる語りでも、「んや」が用いられることがあります。この場合、「自分視点じゃなくて客観的視点」をアピールすることで、規定事項である旨、ひいては「強い決意、揺るがぬ決意」であることを主張します。所信表明演説っぽいイメージ?
一方、「ねん/てん」を使うほうが、より「目の前の相手に話しかけている」感が強くなります。同意を求めている感じになります。
私「お父さん、私、あの人と結婚するねん」
父「お前…あの人と結婚するんや」
数日後
父「お父さんはやっぱり反対や」
私「お父さんがなんと言おうと、私は結婚します。私はもう決めたんや!」
ひとりごと「決めたでオレ。絶対、東大受けるんや!」(決意)
数日後、友達に対して「オレ、東大受けるねん」
受験当日「キャンパスや…夢やない…オレ……ほんまに東大受けるんや…」(叙述、感嘆)