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散文例:上方語、しはりませんか?

ここしばらく、話し言葉の解説続きやったさかい、ここらで「文章」の例をひとつ、書いてみようと思います。

【書き言葉としての、上方語】

みなさんは、普段、何語を使うてはりますか?「日本語」と答えはる方が多いと思います。中には「英語も使うで?」なんて方もいはるかなぁ?そやけど、よう考えておくれやす。「日本語」って、何どす?「英語」って、どこの言葉やろか?

みなさん、自分の使う言葉こそ正統な「日本語」であり、正統な「英語」であり、他はすべて「パッチもん」やと、心のどこかで思うてませんやろか?人間たるもん、無意識の中にこそ「排他主義」があるもんどす。今まで意識したことのなかった方は、いっぺん、考えてみておくれやす。

ところで英語には、方言ちゅうのがあります。一番「訛りがキツい」のは、実はイギリスの、スコットランドの言葉で、当のイギリスでは「スコットランド語」と呼ばれることもあるぐらい。そやけど、それ以外にも「いわゆる方言」はあります。というか、むしろ「いくつもの英語」が、あります。

イギリスにはイギリスの標準語、「イギリス英語」があります。主にロンドンで話される方言を、メディアや論文で使えるように整備した「国語」です。他方、ご存知の通り、アメリカにもアメリカの標準語があります。これも「標準語」ですが、「方言」でもあります。決してどちらが上とかありません。日本人は「アメリカ英語」を学ぶ人が多いですが、ヨーロッパ人は「イギリス英語」を学ぶ人が多いと聞きます。本真に、「どっちがより標準」とかはないんどす。

もちろん、それ以外にも、インド英語やカナダ英語、オーストラリア英語など、「英語」はぎょうさんあります。それらすべてが「英語」であり、どれが正しいなんておまへん。「みんな違うてみんなええ」んどす。

翻って日本語はどうでしょう?

日本語も同じ……

……ハズなんですけど、どうもみなさん「唯一無二の正解があって、他は正しい日本語ではない」という認識をお持ちのようどす。

日本語にも、いろいろあります。「日本語を知る」ことは、そこから始まります。「方言をやっている」そう言うと、「田舎が好きなんですか?」と聞かれることがあります。本真に「田舎が好き」やないと方言してはいかんのですか?なんで?日本人として日本語を学んでいるだけやのに……