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国家一般職(行政)採用の流れ

はじめに

この記事は国家一般職の採用の流れについて、主に1次試験終了後に焦点をあててまとめています。
2024年度の試験を回顧したものなので今年度もこの通りとは限りません。
あくまで私の感想も交えた記事となっているので、ご自身での情報収集もきちんと行ってくださいね。

では、本編スタートです!!!!


採用の大まかな流れ

こちらは人事院が公表している2024年度の採用までの流れです。
一般職試験採用情報|国家公務員試験採用情報NAVI (jinji.go.jp)

今年度の試験が昨年度よりも前倒しになる可能性もありますが、このスケジュール感は変わらないと考えられるので、これを基に国家一般職の採用の流れについて書いていこうと思います。

①1次試験

まずは1次試験があるわけですが、ここは軽く触れる程度にします。

択一試験は上表のようになっています。
専門試験は何科目用意するか悩みどころですが、8+予備2科目の計10科目を用意すれば一安心かなと思います。

択一試験に加えて、教養論文の出題があることも忘れてはいけません。
択一試験と教養論文は1次試験の日に実施されますが、教養論文に関しては1次試験合格者のみ採点され、最終合格者決定にあたり考慮されます。
1次試験は「択一試験勝負」ということですね。

1次試験終了後の流れ

前述の人事院ホームページに記載の流れに、私がオレンジの②④⑦を加えています。
以下順に見ていきます。

②個別説明会

1次試験が終わると、早ければ翌日から官庁ごとに個別説明会が開催されます。
後述しますが、この期間の個別説明会で志望官庁を決めておいたほうが良いです。
この期間に開催される個別説明会は参加必須という認識でいいと思います。

では、なぜ参加必須といえるかについてです。
これまでの説明会やワークショップは「採用に関係ありません」と記載があれば文字通りでほぼ採用に関係がないです。
しかし、この期間の個別説明会では「採用に関係ありません」と記載があっても、間接的に採用に関係があると考えて良いでしょう。
まず、官庁側はこの時期の個別説明会で受験者にある程度目星をつけていると言われています。
実際のところはどうかわかりませんが、この噂は正しいと考えて良いでしょう。
私も実際、個別説明会で名前を覚えていただいたのか、官庁訪問で訪問した際に「あ!○○さん!」と名簿を見ずとも話しかけられました。
官庁側からしても、個別説明会に参加してもらえると多少は印象があがると思います。

また、直前期ですから、面接のネタ作りとしても役立つでしょう。

以上の理由から、参加しないからといって不利になることはおそらくないと思われる(建前上はない)が、有利になることはないので、参加したほうが良いと言えるでしょう。

1次試験の少し前から順次募集が始まりますので、志望先のホームページをこまめに確認しておきましょう。
油断するとすぐ定員になります。見逃さないように!

③1次試験合格発表

1次試験合格発表の時間と同時に官庁訪問の予約が始まります。
官庁訪問の枠は争奪戦なので気合を入れて臨む必要があります。
昨年度は予約開始時間丁度に申し込んだのに予約できなかった官庁もあったそうです。
仮に予約できたとしても第一希望が通らないこともざらにあり、スケジュール管理力が試されます。

スケジュール的にも2~3か所の訪問が良いかなと思います。
この日までにどの官庁を志望するか決めておきたいところです。
個別説明会開催中に志望先を絞っておきたいといった理由もここにあります。

④合同説明会

ここで人事院主催の合同説明会が開催されます。
これは正直謎システムですね、、、
官庁訪問の予約はもう始まっている(すぐに枠が埋まるので実質終わっている)ので、この合同説明会で魅力的な官庁を見つけたとしても、いざ官庁訪問の予約をした際に枠が埋まってしまっているか、後ろの方に回されるかです。

⑤官庁訪問❶

官庁訪問が始まります。
昨年度は7/2~7/9という日程で設けられていました。
どの日に訪問しても良いとされていますが、第一志望先には1日目に訪問するのが定石です。
やはり官庁も内定辞退は避けたいですから、第一志望の人を探します。
2日目に訪問して「第一志望です!」と言うのは少し無理がありますからね、、、
実際、1日目に参加したほうが有利になっていた気がします。
かといって2日以降に訪問したら望みは薄いというわけでもありません。
実際、私は2日目に訪問したところから内々定をいただきました。
体は一つしかないですから上手く優先順位をつけてスケジュールを組むようにしましょう。

そもそも官庁訪問って何なのかということですが、官庁訪問は実質的には面接です。
国家一般職の採用試験に最終合格したからといって、どこかで働けるわけではありません。この官庁訪問を通して内々定を頂いた官庁で働くことができるのです。
官庁訪問では内々定を頂くために、各官庁ごとに業務内容の説明と面接が行われます。
多くの場合、訪問の際には「訪問カード」とよばれる面接カードのようなものを書いて持参します。そして、この訪問カードに沿って面接を行います。
この官庁訪問は2回、3回と続いていくのです。

具体例で説明します。
A庁が第一志望であるとすると、まずは7/2に官庁訪問を行います。
そこでは前述のように面接が行われ、良い評価を頂ければ、2回目の官庁訪問に(多くの場合は当日~数日以内に電話で)呼んでいただきます。
そして7/8(日付は適当です)に2回目の官庁訪問に行きます。
ここでも同じように面接が行われ、また良い評価を頂ければ、内々定をいただきます。
3回目の官庁訪問が実施される場合もあります。
ただし、人事院のルール上8/13にならないと内々定は出せないという決まりがあります。
人事院ホームページには右のような記載があります。

8月 13 日(火)午前9時以降の内々定解禁日時までの間、各省庁は、受験者に対し、その時点での評価の伝達 を超えた内定、内々定と受け取られる言動は厳に慎むとともに、受験者が他省庁を訪問する可能性を閉ざすような言動を行わないことを徹底する。

8月 13 日(火)午前9時とは国家一般職採用試験の最終合格発表の時間です。
ですので、ここでの内々定は本物の内々定ではなく、「是非一緒に働きたい」などとぼかして伝えられるものです。
これには法的にもルール的にも何の拘束力もありません。
しかし、このように言われた場合、それは内々定と同等のことなので、覆ることはまずはないですが、ここでは内々定(仮)と表現しておきます。

この状態に持ち込めれば、あとは人事院面接さえクリアすると正真正銘の内々定を頂けるというわけです。

受験者は官庁訪問で内々定(仮)を頂くことを目標とするわけです。

このあたりでもう一度同じ図を挿入しておきます。

⑥2次試験(人事院面接)

このタイミングで2次試験が行われます。
昨年度は7/10~7/28までの期間で行われていました。
面接日は人事院が決めるので、こちらは一切選べません。
この期間は官庁訪問禁止期間となっており、官庁訪問は行えません。

人事院面接は基本的な問答が多く、普通に話せばまず落ちないと巷では言われていますが、⑤の官庁訪問で内々定(仮)を頂いても、この人事院面接で滑ってしまうと意味がありませんので気合を入れて臨みましょう。

⑦官庁訪問❷

官庁訪問禁止期間が明けると、官庁訪問が再開されます。
官庁訪問❶の期間で内々定(仮)を頂けなかった受験生が官庁訪問に望みます。

この期間はすべての官庁で官庁訪問が実施されているわけではないので、自分で情報を集める必要があります。

⑧最終合格発表

ここで人事院面接の結果を踏まえ、最終合格発表が行われます。
既に内々定(仮)を頂いている方はほぼ試験終了です。

⑨採用面接、内々定

多くの場合、最終合格発表と同じ日にあります。
最終合格発表の数日前に官庁から集合時間の連絡がありますので、待っておきましょう。
内々定(仮)を内々定(本物)にするのです。

採用面接といっても、がっつりとした面接ではありません。
「本当にうちに来てくれる?」
「はい!」
「じゃあ内々定あげる」
こんな感じで、内々定(仮)を出した人が本当にうちで働いてくれるかを確認した後に内々定をいただきます。
ここでの内々定は本物です。省庁によっては書類を頂ける場合もあります。

また、官庁によっては電話口だけで内々定を頂けるところもあるようです。

内々定(本物)は国家一般職の官庁の中からは1つしか頂けないので、複数内々定(仮)がある場合はこの日までにどこに行くかを決め、行かないと決めた官庁には辞退の連絡を入れておきましょう。

上手くいけばこの日で国家一般職の試験は終了です。

番外編

内々定(本物)から内定へ

多くの場合、10/1に内定式が行われ、内定をいただきます。
内々定(本物)をいただいた方は犯罪などをしない限り内定は頂けるので、実質的に内々定(本物)=内定です。

スカウト電話

さきほど、国家一般職の採用試験に最終合格したからといって、どこかで働けるわけではなく、官庁訪問を通して内々定を頂いてはじめて官庁で働くことができると書きました。

これは半分嘘です。
国家一般職では多くの場合、内々定をもらっていなくても、最終合格発表日以降に官庁訪問していない官庁からスカウトの電話が来ます。
今まで一度も説明会に参加したことがないようなところからです。
場所を選ばなければほぼ確実にどこかしらで働けると思うので、その点は安心してください。


おわりに

いかがだったでしょうか。
不透明な国家一般職の採用の流れについて理解を深めていただければ幸いです。

繰り返しになりますが、この記事はあくまで筆者の感想であることをご理解の上、各自での情報収集も怠らないようにしてください。
この記事の通り今年度の採用が行われるという保証はありません。

この記事の公開にあたり、まっちゃさん(まっちゃ@25卒ハム (@matcha_dayooo) / X)にご意見をいただきました。
末筆ではございますがお礼申し上げます。

ご質問やご意見はX(国子女 (@kunikuni_jl) / X)のプロフィールにあるマシュマロまで!!

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