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料理と飲み物は温度をペアリングしよう

温度のペアリングなんて見たことも聞いたこともないと思いますが、HOT SAKE Labでは料理と日本酒のペアリングをする際に気にしている部分だったりします。
それは一体どういうことなのかを説明していきます。

美味しさと温度の関係性について

冷たい方が美味しいものは冷たい状態で、温かい方が美味しいものは温かい状態で食べる(飲む)のが一番だと思います。
レストランでは料理と飲み物はそれぞれ冷たさ、温かさをそれぞれ意識した提供をされていると思います。

料理

例えばレストランでは、冷前菜は料理がぬるくならないように皿を冷蔵庫で冷やしたり食材を冷たい状態を維持するようにあまり時間をかけないように調理してなるべく冷たい状態でお客様へ提供すると思います。
逆に温菜は、料理が冷めないように皿をあらかじめ温めておき料理はできたらすぐに盛り付けて熱々の状態でお客様へ提供すると思います。

料理において美味しさと温度は関係しているからこそ、こだわる部分だと思います。

飲み物

冷たい飲み物には見た目も涼しげなガラス製のグラスを使用されていることが多いと思います。さらには、ぬるくならないように氷を入れて冷たさを持続させる飲み物や、氷を入れると溶けた水で薄まってしまうのを避けるためにグラスをあらかじめ冷やしておくやり方もあると思います。
より清涼感を感じるためにうすはりで作られたグラスを使用することもあると思います。
温かい飲み物は、熱伝導率が低く保温性が高い陶器が使われていることが多いと思います。
ガラス製のグラスの場合もありますが厚みのある場合が大半だと思います。
または常温くらいで飲むのが良いものもあります。

飲み物についても、なるべく美味しい温度帯を長く楽しめるように工夫しているということが言えると思います。

次にフードペアリングについてどんなものがあるかについてです。

ペアリング

最近は様々なフードペアリングが誕生してきていると思います。
最初はフランス(西洋)料理とワインだと思います。
“ペアリング”というより“マリアージュ“という言葉が最初ですね。
マリアージュは料理とワインがまるで結婚したかのような完全なる一体感の事を指しますが、そこまで敷居が高くなくカジュアルに料理と飲み物を合わせて楽しもうとしたのがペアリングの始まりだと思います。
そして今では、フランス(西洋)料理とワインのペアリングだけではなく
和食とワイン
寿司とワイン
エスニック料理とワイン
焼き鳥とワイン
和食と日本酒
洋食と日本酒
などなど挙げ始めたらキリがないほどあります。
また料理とお酒だけではなく、紅茶やハーブティーなどのノンアルコール飲料を料理と合わせるペアリングも誕生しています。

ペアリングの世界はどんどん広がっていて、今までにない味わいを発見することができています。

温度のペアリング

料理や飲み物は温かい、冷たいの温度をとても大事にしています。
料理と飲み物のペアリングもどんどん広がっていて新しい組み合わせが誕生しています。
どれも美味しさを求めているからこそ発展していることだと思います。

この広がっているペアリングに温度も同調も考えてくといいのではないかと思っています。
日本酒で例えると冷前菜には冷酒を温菜には熱燗を合わせるということです。

例えばお刺身は冷たい冷酒がいいと思います。
なぜなら、常温以上の温度の飲み物だと魚の生臭さを引き出してしまうことになる可能性が出てくるからです。
逆に天ぷらは熱燗がいいと思います。
温かい方が美味しい料理を口に入れた後冷たい飲み物より温かい飲み物の方が食べ物の美味しい余韻が楽しめるからです。
冷たい飲み物でさっぱりさせたいという場合は、冷たい飲み物でいいと思いますが、それはペアリングではないと思います。

白ごはんで例えると
お寿司のシャリは冷ましてる方が良くて、天丼のご飯は温かい方が美味しいですよね?ということです。
白ごはんを同じお米でできた日本酒に当てはめて考えるとわかりやすいかもしれません。

ワインは温めて飲むということがあまりありませんが、温菜にはキリッと冷やした白ワインではなく常温のワインを合わせるということになります。

まとめ

フードペアリングを気軽に楽しむ場合には、いろんな銘柄を覚えて合わせるよりまずは温度を合わせるだけでもいいのではないかということです。
HOT SAKE Labでは「この料理に合わせた日本酒をください」と言われた場合はまず冷酒か常温か熱燗のどの温度帯の日本酒がいいかをお聞きします。
温菜に対して冷酒をご希望されたら冷酒で合う日本酒を提供します。
「どの温度帯がおすすめですか?」と聞かれたら「温度帯が同じ熱燗がおすすめで、もしくは常温がいいと思います」とお答えしています。
その次にお客様の味覚に合わせて銘柄を決めていきます。

日本酒は熱燗という温めることができるのでよりこの温度ペアリングを楽しむことができると思います。
そんな考え方もあるんだなと思っていただけたら幸いです。

良き熱燗ライフを

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