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受験生への情報発信に万全はありえない?明治大学の学部選択ガイドサイトから感じる、人気大学のおもてなし底力。

企画性のあるウェブサイトを見ていると、そこに意図や狙いが感じられ、いろいろと考えるきっかけになります。今回、取り上げる明治大学の「受験生向け学部選択ガイドStep into Meiji University」もまさに、そんなサイトの一つ。明治大学の受験生に向けた情報発信の熱意みたいなものを感じました。

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受験生向け学部選択ガイドStep into Meiji University

明治大学は入試総合サイトと、MEIJI NOWという受験生向けオウンドメディアをすでに持っており、今回のウェブサイトは受験生をターゲットにした3つ目のサイトになります。スマホでの情報収集に特化したサイトなようで、実際にスマホで触ってみると、あちこちページ遷移しなくても学部情報の取得ができ、気になる情報については、タップすることで「気になるリスト」にクリップすることが可能です。受験生視点でUI/UXをしっかりチューンナップしているのは、さすが明治大学だと、ただただ感心します。

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気になる情報をクリップできる「気になるリスト」

ただ今回、個人的にこのサイトが面白いと思ったところは、実はここじゃないんですね。一つは、このサイト、リニューアルと冒頭で書いたとおり、元になるサイトがあるんです。元のサイトは「Step into Meiji University」という明治大学のブランドサイトでした。実は、以前このサイトについても、このnoteで取り上げています。

もともとのサイトは、ムービーと明治大学が運営する2つのオウンドメディア(MEIJI NOWとMeiji.net)の記事で、全学および各学部の魅力を紹介するようなつくりのサイトでした。リニューアル後も、ムービー、記事、そして学部紹介で、学部を表現・説明しているので、やっていることは大きく変わりません。ただ、ターゲットを受験生に特化させ、さらには、利用シーンも学部選びに限定したというのが大きな違いです。

ブランドサイトを、学部選びサイトに模様替えするのは、だいぶ大胆なリニューアルだとは思いつつ、コンテンツが意外にも流用できることに驚きました。大学で広報戦略の話をしていると、ブランディングと入試広報(マーケティング)が混在することがよくあります。このサイトも、そういったイザコザに巻き込まれたのかな?という気もしますが、上手いこと入試広報にシフトしたようです。

もう一つ、このサイトで面白いと感じたのは、記事リクエスト機能です。この機能によって、探偵ナイトスクープさながら、ユーザーが知りたいことをリクエストし、それが採用されるとMEIJI NOWの記事となり、そのMEIJI NOWの記事がこのサイトにも反映されることになります。

この記事リクエスト機能ですが、MEIJI NOWには備わっておらず、学部選びサイト側にしかないんですね。ここから読み取れるのは、ユーザーの声を反映した面白い記事をつくってやろうというメディア側の都合ではなく、あくまで学部選びのために、この機能をつけたということ。それはリクエストのボタンの上にある「あなたの疑問が記事になります」というフレーズからもわかります。学部選びサイトを見てもわからなかったこと(=疑問)に答えますと書いているわけです。単純に問い合わせで対応するのではなく、記事化するのは試みとして面白いし、大学側の本気度もよく伝わってきます。

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学部選択ガイドのサイトに設置された「記事リクエスト」のボタン

冒頭でも触れましたが、明治大学には入試総合サイトとMEIJI NOWという2つの受験生向けサイトをすでに持っており、どちらもかなり充実しています。また、志願者数は全国3位(2021年度)で、言うまでもなく“超”がつく人気大学です。そんな状況であっても、ブランドサイトをリニューアルし、学部情報を徹底して伝えるサイトを立ち上げました。ここまで積極的に、また丁寧に、受験生に情報を届けようとすることに、人気大学の底力みたいなものを感じるとともに、受験生への情報発信に万全というものはないのだと改めて気づかされました。

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