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街の佇まい
ゲームの「ドラゴンクエスト」シリーズなど幅広いジャンルの音楽を手がけてきた作曲家のすぎやまこういちさんが先月30日、敗血症性ショックのため亡くなりました。90歳でした。
— NHKニュース (@nhk_news) October 7, 2021
2016年にNHKで放送されたインタビューです。https://t.co/C10yEap2oF#nhk_video pic.twitter.com/Me3x1iabC5
こんなニュースを見た。
普段は誰か有名人が亡くなったところで別に気になったりはしない。結局は遠い世界の誰かなのだから。
特に事件性があるわけでもない。流行病でもない。年齢を考えれば大往生の範囲だろう。
いちいち反応してバズ稼ぎみてえなのをするのは行儀が悪いし、普通に冒涜的だと思うしね。
ただ、今回はなんだか心に来るものがあって、つらつらと書きたくなった。
ゲームボーイカラーの時代に「ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵」というゲームがあった。ドラクエの外伝みたいな位置づけなのかな?
なくしてしまった島のへそ(要石のようなもの。ないと島が沈む)の代わりを見つけるために異世界にワープして冒険するという話で、ゲームとしてはかつてドラクエに登場したモンスターたちを仲間にしたり配合したりして戦わせるシステムだ。
ドラクエなので当然音楽はすぎやまこういちだった。
当時「ああ、この曲はすぎやまこういちと言う人が作ったのだな」と思いながら聞いていたわけではないんだ。でも、どのBGMも不思議と頭に残っていてね。
知らない異世界を冒険するときの不安ながらもワクワクするような曲。立ち寄った町の少し物悲しい曲。
なかでも記憶に残っているのは主人公たちの国のBGMだ。
このゲームわりかし仲間を配合するのに自分の国にいることが多いので、この曲を聴いている時間もそれなりに長いのだ。でも、聞いていて嫌になることがない曲だ。なんだろうね。優しいというか、懐かしいというか、どんなに遠くに行って帰ってきてもここが主人公たちの帰るべき場所なんだよ、って言ってくれるような。
今聞いても心が落ち着く曲だと思う。
だから、冒頭のニュースを読んで思い出したのはこの曲だったよ。
思い出しただけ。
2.3インチの窓から覗く世界を心躍らせながら冒険していたあの頃。
小さなスピーカーから流れる音楽は雄弁に冒険を彩ってくれたものだよ。
すぎやまこういちさん
お疲れさまでした。ありがとうございました。