
吉田靖直『ここに来るまで忘れてた。』について
またしてもトリプルファイヤー吉田さんの本を読んだ。これもじわじわと笑える内容で面白かった。
吉田さんの文章は、人間同士の所作や感情による作用反作用の関係というか、いわゆる心の機微というか、そういったことを絶妙に文章化されていて面白い。普段の人間関係で感じるちょっとした違和感とか疑問とか、自分なら言語化できないまま流してしまうんだけど、吉田さんはその辺をしっかり捉えて、しかも読んでてじわりと笑える文章にできるんだからすごいなと思う。
自分が特に好きなのは、阿佐ヶ谷でのちょっと気まずく恥ずかしい話、サウナでの酔っ払いのノリの話、神職の資格を取った時の恋の話、群馬の無人駅の話…と、2つくらいに絞ろうと思ったんだけど面白い話ばかりで絞れない。
なんかのインタビューで、芥川賞を取りたいと言ってたけど、まじで取ってほしいと思う。もし小説を書いたなら絶対読みたい。