人事評価とは

個人の感想を含めたメモです。どんなことでも何のためにやるのってことが置き去りにならないようにしたいですね。

■概要
・従業員の仕事ぶりを給料で還元する評価制度

■本質
・本質的な人事評価制度の役割は「人材育成、企業の業績向上、社内の活性化」です。
★社内における人材育成や業績向上と人事評価制度とが一体になるようにすることがポイントです。
いつの間にか平等に人を評価するという趣旨にすり替わらないように注意が必要です。

■人事考課と人事評価
【人事考課】
賃金や昇進など、
従業員に対する人事処遇を目的として、貢献度や能力などを査定したものが人事考課です。

社長や会長といった経営者と人事部と、部長・課長の従業員だけが見ることができるシークレットなものです。

【人事評価】
公にして従業員全員に評価基準を示します。
賃金や昇進などへの反映を目的にした査定だけでなく、
従業員の能力開発や異動配置の参考なども目的にした評価です。

■人事評価制度の種類
人事評価制度の種類は複数あります。
①年功評価
年功序列による
入社した段階の年齢をベースとして昇給昇格などを決定する
中途採用者の増加や、少子高齢化問題などで若手従業員を確保できず、廃止論がつよいが、一概にNGとも言い難い。
②能力評価
年齢に関係なく著しい職能を発揮した場合に評価を行う
経営環境の激変に伴って従来の年功評価制度では対応できないため導入されている。
海外などで最も採用されてきた制度
③職務評価
職務内容に基づいて評価を行う
各職務の内容や性質を分析し、必要とされる知識、技能、精神的・肉体的負荷、責任、作業条件などの要素に基づいて、相対的な価値を評価します。
例)
工場現場の仕事であれば工程ごとに品質や処理スピードなどがハッキリ見えるため、「この難易度の仕事をこなしているからA評価が妥当である」というふうに、純粋に職務に対しての相対的評価を決定することが可能
④役割評価
役割ごとに評価を行う役割評価があります。
従業員の仕事内での役割に応じて評価を決定する
仕事内容(役職ではない)を主軸においた制度であり、仕事の難易度などに応じて役割を決定し評価をする
例)経営陣からミッションとしている仕事内容を細分化して評価の起点とします。
  
■人事評価制度のメリット
①挑戦することができる
人事評価制度があることで従業員が難しい仕事に挑戦することができる。
②処遇に対しての納得感
自分自身への処遇に対して納得感のある説明ができるため、
従業員の不満を極力抑えることができる。

■人事評価制度のデメリット・問題点
【デメリット】
・組織風土にマッチしたものではない場合、形式化して従業員の不満が溜まり、離職者を増やしてしまう。
【サイン】
・管理職が率先して行わない評価制度は形式化しているといってよい。
【問題】
・既存の従業員たちはそれまでの恩恵を受けている。
・形式化し、管理職が部下の評価を真面目につけなくなってしまう。

■人事評価制度を廃止する事例
・従業員のモチベーションとパフォーマンスの向上に寄与していない
⇒育成面談などを定期的に行うという方式に変更。
・ビジネス環境に柔軟に対応するため
⇒面談を頻度を上げて行うように評価面談の実施方法を変えた。
SABCDなどのレイティング付け(格付け)とそれを説明するためのプロセスは廃止。
頻度を上げた面談での記録をもとに評価する。
・ランク付けによる評価制度が従業員のモチベーションを奪っている
⇒フィードバックを3ヶ月に一度行うことでモチベーションアップを図る。

■失敗の事例
・シンプルな人事評価制度にするために人事評価制度を一本化
⇒不満が起こりやすくなる。
社内活性化の目的が、いつの間にか社内で平等に人を評価するという趣旨にすり替わってしまった。

■人事評価制度を見直す際のポイント
・現場の不満をしっかりと人事担当者が足を運んで集めること
・従業員の不満にも耳を傾けることで、具体的な問題点が浮かび上がります。経営者の意見を主軸におくと失敗するケースが多い。


■人事評価制度の作り方
まずは評価項目を整理するところからスタートします。
【必要な項目】
①経営者の視点の人に関する課題
②現場の管理職に仕事に対して部下に期待している部分
③①②の意識のズレを調整する。
【評価の流れ】
①シミュレーションを行う
経営者の意見と管理監督者の意見を集約した評価項目を使い、シミュレーションを行います。
②項目の見直し
シミュレーションを行った結果、以前まで優秀な評価だった従業員の評価が極端に下がってしまったり、反対に評価の低かった従業員の評価が上がってくるケースがあります。
⇒ここで残すべき部分と捨てるべき部分がはっきりしてきますので、最終的にできあがった評価表をもって管理職に最終評価を付けてもらい、人事部と経営者で最終的な評価を下します。
【導入までのスケジュール】
・半年以上は必要。
・経営者の承諾をとり、労働組合のある企業の場合は労働組合の委員長の意見を聞き、新しい評価制度のスタートさせる。
・従業員に対して新しい評価制度の導入年月日などを通達する。

■助成金
人事評価改善等助成金とは、
生産性を向上させるために人事評価制度と賃金制度の整備を行い、生産性の向上と賃金アップ、離職率の低下を実現した企業に対して支給される助成金であり、人手不足の解消のために実施されている助成金制度です。
2段階で人事評価改善等助成金は支給される仕組みとなっています。

・1段階目で制度整備助成金として50万円が支給され、2段階目で目標達成助成金が80万円支給される